神楽坂毘沙門寄席 第36回 「菊之丞の会」  レポート 2016/01/21

第36会菊之丞

神楽坂毘沙門寄席 第36回「菊之丞の会」 2016/1/21

年明け最初の会に初登場の入船亭辰のこさんは、扇辰師匠のお弟子さん。前座噺の定番ともいえるお馴染み『子ほめ』の披露です。縞の着物が初々しく見えて微笑ましい感じです。会場の若いお客さまたちを中心になかなかの笑いをとりました。成長してほしい若手の一人として記憶したいと思います。

初春らしい明るいグレーのお召物に梅の紋の付いた黒羽織で菊之丞師匠。心なしか高座姿からは貫禄が感じられるようになりました。演目は講談から落語になった左甚五郎の名工物『三井の大黒』。噺の端々に関東と関西での仕事の手順や符牒の違いが出て、大工さん同士の噛み合わない展開にも興味深い一面があります。木彫りの大黒様がニッコリ笑う場面では、その御顔が目に浮かびました…今年は良いことあるかなぁ。

お仲入りのお楽しみ、ワインとソフトドリンクのサービスで温かくなった後、珍しく袴姿での再登場。菊之丞師の二席目は『幾代餅』です。実はこの「菊之丞の会」の記念すべき第1回のときの演目が、このネタだったんです。ちょうど10年前のことでした。ここまで長く続いてきたことは、師匠はもちろんのこと、運営・協力スタッフの皆さんにも感慨一入のことだと思います。そして一同がいつも感じているのは、お運びいただいたお客さまに心より御礼申し上げたい感謝の気持です。

お正月気分でいたらあっという間に1月もあとわずか、次の「菊の丞の会」は4月21日(木)です。また毎年恒例の「第8回神楽坂落語まつり」は、6月25日(土)・7月2日(土)の両日に開催されます。まもなく詳しい広報も開始されますが、チケット発売は4月中旬からの予定です。演芸ファンの皆さま、こちらもどうぞお楽しみに。

神楽坂がん子