神楽坂毘沙門寄席 第20回 「菊之丞の会」  レポート 2011/04/28

第20回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第20回「菊之丞の会」/2011年4月28日

昨年12月以来の「菊之丞の会」です。今回からは色物芸を入れないで、菊之丞の二席をたっぷり聴いていただく会となりました。引き続き7月、10月、来年1月という開催が予定されています。

今日の幕開けは柳家おじさん。前座さんとしても面白い芸名は、師匠の権太楼さんが付けたそうです。年齢不詳でしたが35歳とのこと、若々しい話し振りで「狸札」の一席でした。

菊之丞師匠、初夏を思わせる明るい姿で登場。古今亭お得意の「火焔太鼓」です。二ツ目の頃からこの噺家さんには、師匠の円菊さんとは違う芸風を感じていたのですが、久々に聴いたこの演目からは、箇所箇所に円菊師独特の滑稽味が顔を出して、師弟の血統を感じさせてくれました。

お茶とお菓子のお仲入りタイムを挟んで、菊之丞師の二席目は「百川」です。「百川」といえば円生、円生といえば「百川」といわれたほどの、三遊亭円生師の十八番として知られるこのネタを、さて菊之丞流にどう演じるのかと興味津々でした。料理屋に奉公に入ったばかりの百兵衛さんの田舎言葉と、気短かな若い江戸っ子たちのべらんめえ口調の対比が、面白い聴かせどころを巧みに演出しました。

それにしても、先月からの余震が都内でも続いています。開演中に揺れがなくて幸いでした。狂歌を一首詠みます。
「済むまでは 余震来るなと 祈りつつ ズボン下ろして 便座に座る」

神楽坂半公