神楽坂毘沙門寄席 第6回 「白鳥・扇辰二人会」  レポート 2010/08/19

第6回「白鳥・扇辰二人会」-320

第6回「辰鳥跡をにごさず 白鳥・扇辰二人会」2010/8/19

ピンク地に可愛らしいスワンの紋入り着物で登場の白鳥師匠。猛暑のせいか日にちも曜日も間違えて、会場も?の大笑い。幕開けの「ナースコール」は、とんでもない看護士の “みどりちゃん”が、イチゴ柄が体型で伸び広がったトマト柄パンツを見せたりで、大騒動を巻き起こします。果たしてこの娘は白衣の天使なのか、はたまた悪魔の化身なのか!?

いつもスッキリとしたお召しの扇辰師匠は「団子坂奇談」。侍の生駒弥太郎は蕎麦屋の娘、おきぬに一目惚れして弟子入り。そこで見た娘の正体は…真夜中の駒下駄の音、暗闇の静けさが巧みに表現され、シ~ンと静まり返った会場に突然師匠の大声が、「ギャー!!」。不意を衝かれてドッキリの場内は、一瞬騒然としたあとで笑い声が沸き上がりました。あ~ぁ怖かった。

仲入り後は扇辰師の「家見舞」。先立つものがない二人が日頃から世話になっている兄ィに新居祝いをと考えた末、肥甕(こえがめ)洗って水甕としてプレゼント。喜んだ兄ィは、甕の水に浸かった豆腐・古漬け・ご飯とふるまってくれるから、さぁ大変。昔の生活習慣との違いで、こういう噺も説明を多くせざるを得ない世の中になってきたことでしょうね。

トリの白鳥師、今や小学生の教科書にも載っている「あたま山」…とは全く無関係の「新あたま山」。お得意のマシンガンテンポ全開で、出るわ出るわの医学事典。胃爺さんや肝臓姉さんの労働者階級vs脳ミソ・前頭葉・間脳の支配者階級が頭の上での大バトルとなります。最後は人間に備わっている自己再生能力が解決してしまうエンディングへと、奇想天外ストーリーは驀進します。

全国的に記録的な猛暑の八月となりました。夜でもムッとする屋外ですが、まだ今日は少しマシな方です。早く元気な虫の音が聞きたいこの頃です。

神楽坂がん子