≫まち案内 −浴衣でコンシェルジェ−
初夏のコンシェルジェ2006 2006.06.13(土) 文・写真:吉田さらさ
兵庫横丁、物書きさんたちのおこもり旅館、和可菜前。雨だ。しかも、5月とは思えない、息が白くなるほどの寒さ。多分、ボランティア初参加のわたしが雨女なのだろう。どうなることやらと思ったのだが、てきぱきとテントが組み立てられ、あっという間に受付が設置された。さすがなチームワークぶりに、思わず惚れ惚れする。
境内には、古くからの新宿の地場産業である染物のブースや着物のブース、ほどなく発売される神楽坂「逸店逸品」の各商品なども並び、本格的だ。これで好天なら、どれほど多くの人が立ち寄ってくださるだろうと思うと少し残念ではあるが、個人的にはどれも興味深く、ろうけつ染めの実演などを眺めているうちに、時間が過ぎる。Tシャツやハンカチなど、オリジナルのものが、みるみるうちに出来上がる過程が面白い。
粋まちボランティアの女性たちは、雨でたいへんではあるが、やはり、「着物でコンシェルジェ」の名にふさわしく、着物に着替えられている。皆さん、普段から着慣れていらっしゃるようで、ヘアスタイルなどもばっちり。これもまた、看板にいつわりなしの受け入れ態勢が、見事に整った。
お客さんは、三々五々。これもまた、寒さと雨のせいだが、一面では、あまり大勢で歩くよりも、少ない人数のほうが動きやすく、説明する側にも、される側にも利点があるように感じた。実際、あるご家族のグループについて行ってみたが、これもまた、個人的に楽しんでしまった。このコースは、以前、別の機会に、水野さんのご案内で歩いているのだが、訪ねる場所は同じでも、案内人によって見方が違うのが興味深い。今回は、建築家の鈴木さんのご説明を受けたのだが、古くからのお店が、どのように、神楽坂の景観に配慮して建て直しを行っているか、などのお話が面白かった。また、最後に光照寺さんに立ち寄って、お茶とお菓子をいただくという設定も、実によかったと思う。長時間歩いて疲れているということもあるし、参加者の皆さんと主催者側がお話できるという点もよい。
最後にお話した参加者の方は、美しく着物を着こなした若い女性であった。「着物でコンシェルジェ」というからには、参加者も着物を着なければいけないのかと思っていたとおっしゃる。これはちょっとした誤解だけれど、たとえば「きものde銀座」のように、神楽坂界隈を着物で歩くようなイベントがあっても、それはそれで素敵なのかも知れない。
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