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  〜花柳界から学ぶ”おもてなし・しつらえの文化”〜 花柳界入門

第4回 鳴物道具の作り手と演奏者から教わる“花柳界入門”
2007.06.23   モニター:神楽坂がん子

今回はお座敷には欠かせない太鼓などの「鳴物道具」に焦点を当てた花柳界入門講座です。実は私自身も土師流・松本源之助師匠に師事したことのある太鼓奏者の一人として、この催しにはとても興味を持っていました。

最初の部で宮本卯之助商店の宮本社長からは、雅楽・能・歌舞伎の文化とかかわる太鼓の歴史のお話に続いて、鼓の芯部である胴を持参されて披露。漆や金箔が美しく施された職人技の輝きが目を引きます。
作品に名を入れることが許されなかったので、胴の内側に鉋目(かんなめ)を入れることにより誰の作品かが判るようになっているという説明に、誇り高い職人の心意気を感じました。
宮本社長はお仕事柄の研究家というより、もともと学者タイプの方とお見受けしました。大好きな邦楽とそれにまつわる文化までにも興味が尽きなく、終始楽しそうに話される姿がとても印象的でした。

第2部では邦楽囃子方の望月左之助師匠とお弟子さんの左京さんが、見せて聞かせての熱演。皮と胴から鼓を組み立てるところは私も初めて拝見しました。耳と指先で紐を操る高度な技は思わず私たちの目を奪います。そしてその抜けるような音の素晴らしいことといったら、もうストレス一発解消の心地です。
私の師匠は、「太鼓は誰が叩いても音が出る。だからこそ良い音を出すのは難しいんだよ」とよく口にしていました。左之助師の透き通るような鼓・太鼓の音色は、キャリアを重ねた熟達者だけが出せる胸に響くものでした。
歌舞伎の下座での効果音として水・波・雨・風・雪・雷などを表現する太鼓奏法には、思わず舞台の情景が目に浮かびます。師弟のユーモア溢れるやり取りに、会場も和やかな空気に包まれました。

最後は左之助師匠作曲の「音でつづる神楽坂の四季」を、舞台上の艶やかな9人の芸者衆が様々な鳴物で奏でます。眞由美姐さんの粋な男踊りが見事に締めくくってくれました。芸者衆は多忙な中を一年かけてお稽古されたそうですが、神楽坂花柳界のテーマミュージックとして、これからも度々ご披露いただきたいものだと思いました。


終りに東京神楽坂組合の澁谷理事長との対話中で、「日本人が能・歌舞伎・文楽など日本の伝統文化を紹介できないようでは情けない」との宮本社長の弁はごもっとも!伝承される文化を大切にしながら新しい文化を取り入れることの重要さを同感しました。時代の流れに翻弄されることなく、いつもそんな文化的な粋さの残る神楽坂でいて欲しいといま改めて思います。
会場から出できたお客様の満足そうな笑顔が、梅雨の晴れ間に輝く午後の毘沙門天でした。

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