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第5回 三味線の師匠から教わる“花柳界入門”
2008/03/01 モニター:神楽坂がん子 

花柳界を学ぼうという人気講座も第五回目となり、今回は知っているようで知らない「三味線音楽」についてです。 

第一部は東京神楽坂組合理事長・澁谷信一郎氏が、邦楽史の中の三味線にスポットを当てながら、江戸時代から町人の庶民音楽として盛んになったその歴史を解説。

大きな二つの流れである「唄い物」と「語り物」が、それぞれ長唄・端唄・俗曲と常磐津・清元・新内などへと発展していった経緯について、時々は思わぬ方向に脱線しながらのお話が、場内の笑いを誘っていました。 

第2部に移り、長唄三味線の演奏家である東音宮田由多加氏が、三味線の天神・棹・上駒・音緒など聞き慣れない各部名称とその構造について、最初に細かくお話しされました。

16世紀に沖縄からの伝来時には蛇の皮であったのが、時を経て猫のものになったという歴史解説に続き、「三味線は弦楽器であり打楽器でもある」という説明に思わず納得。その他、本調子・二上り・三下りと調弦を変えれば音は派手にも地味にもなること、曲により駒の高さを変えるデリケートさが三味の音の身上だということなどを知りました。それにしても気持ちの良い音色が奏でられるものです。

切っても切れない長唄と歌舞伎との縁についてや、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」に越後獅子の一節が出てくるなど、知られざる裏話もして下さいました。 

第3部はお待ちかねの演奏です。最初には一中節・浄瑠璃方の都了中氏が代表曲「猩々」。なかなか耳にすることのない一中節ですが、日本の伝統芸能がこのような若い方に脈々と引き継がれていることを、心から好もしく感じました。

長唄「越後獅子」は、宮田師とお弟子さんの二挺三味線に唄い方という構成です。お馴染みの「牡丹は持たねど越後の獅子は〜」というサワリの部分が心地良く、思わず自分でも口三味線が出ていました。

さて舞台は一層華やかに変わります。ぼたん姐さん、てい子姐さんが、そのキャリアを感じさせる常磐津・清元・端唄・俗曲・小唄を次々に披露。粋な神楽坂芸妓の心意気が伝わってきます。端唄の撥弾きが小唄では爪弾きとなることで、グッと趣が変わるのがわかりました。

最後は若手で艶やかに。涼也さんと英子さんによる春らしい舞が三曲。神楽坂期待のお二人が、これからの花柳界を盛り上げてくれることでしょう。 

邦楽器の魅力を知る上でとても興味深い講座となりました。冷たい風にも春の匂い。恒例の「神楽坂をどり」ももうすぐです。

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