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第十回 菊之丞の会

開場前から列ができるほどの大盛況。菊之丞の会の人気もすっかり定着した様子です。

一番手は正太郎さんの「転失気」。落語家の世界では天性の可笑し味を持った噺家さんのことを、フラがあると言うそうですが、この前座さんにはそれを感じます。場数を踏んでいけば末は大物の予感。

一席目の菊之丞師匠、この季節にふさわしく「花見の仇討ち」。江戸っ子口調の歯切れの良さと人物描写の巧みさが、昔のお花見に誘ってくれました。咲いた桜の下で庶民たちは今と違った趣向の楽しみ方をしてたんでしょうね。

いつものワインとチーズで中入りのあとは、紙切りの二楽さん登場。確かにポスター写真の痩せてたころとは別人に見えるくらいの巨漢です。でも見事な鋏さばきはデリケートそのもの。あんな可笑しいことをしゃべりながらも、巧みな切り絵が次々とでき上がります。立体ネズミは感激モノのオリジナル作品でした。

菊之丞師、トリに「妾馬」を持ってきました。古今亭の十八番ネタともいえるこの噺にも、菊之丞ワールドを繰り広げる力量はさすが。終始爆笑を誘う八五郎ですが、妹のおつるにおふくろのことを聞かせるくだりでは、思わず場内をホロリとさせます。

楽しい寄席の雰囲気を満喫できた夜でした。寒いけど来週にはお花見できるかな? 

文 : 神楽坂半公


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