神楽坂毘沙門寄席 第21回 「菊之丞の会」  レポート 2011/07/28

第21回「菊之丞の会」

神楽坂毘沙門寄席 第21回「菊之丞の会」2011/7/28

雨上がりの蒸し暑い中、開場前からお客様の長い列ができました。

まずは毘沙門寄席二度目の登場、ポニーテール姿も可愛いらしい春風亭ぽっぽさん。講談口調独特の流れるようなテンポの修羅場読みを織り込んで、「やかん」を披露。前回からさらに一段の成長ぶりを感じさせてくれました。末が楽しみな前座さんですね。

菊之丞師匠、涼しげな白い縞の着物に絽の羽織がお似合いです。先の文楽師匠を思わせる「酢豆腐」が出ました。暑くて何も調理したくないこの季節、「安くて、数があって、皆の口に入り、腹にたまらず、衛生にいいもの」なら、私だって探したいです。気障な通人の若旦那が師匠とダブって、大笑いしてしまいました。ところでウチの豆腐は昨日買ったんだし、冷蔵庫に入っているし、大丈夫なはず…。

ワインとチーズのサービスを楽しんだお仲入り後は「抜け雀」。風采の上がらない主人公が、実はスーパー名工だった…という噺が落語にはいくつかありますが、元は講談というネタも多いようです。小田原宿の「相模屋」に投宿した身なりの良くない謎の大酒呑み、正直者で気弱な宿屋の主人、あわてん坊で気の強いおカミさんたちの愉快な人物描写に、会場は笑いに包まれます。衝立に描かれた雀が、差し込んだ朝日を浴びて空に飛び立つ様子が目に浮かびました。

帰りの境内ではおじさんたちが話し合っています。「うん、生ビール。小一時間だけ」。ホントでしょうか?ノドも渇いて美味しいでしょうが、飲み過ぎにはどうぞご注意を。

神楽坂がん子