神楽坂毘沙門寄席 第2回 「白鳥・扇辰二人会」  レポート 2009/08/27

第2回「白鳥・扇辰二人会」-320

8月27日 第二回 辰鳥跡をにごさず
 白鳥・扇辰二人会

第二回目となる毘沙門寄席の新シリーズですが、女性ファンの多さが目立ちます。

幕開けは扇辰さんの「甲府い」です。豆腐屋の主人と奉公人のこころ温まる噺ですが、キッチリとした江戸前の芸風は扇橋師匠譲りでしょうか。主人公、善吉の律儀な物腰が、この噺家さんの真面目さを表わしています。

続いては出囃子「白鳥の湖」に乗って、ライトなイエローグリーンの着物姿の兄さん登場です。胸の紋にも大きな白鳥が。演目は「アジアそば」。ハチャメチャなインド人が、奇妙で達者な日本語を機関銃のごとくまくしたてます。

仲入り後、扇辰師は「河童の手」。ネタ下ろしだそうですが、作者はなんと白鳥師匠。新作の奇才が創る落語も、この師匠の手に掛かると古典の趣が出るのが味です。最後の「ケケケ」では、高座に河童の顔が浮かびました。

白鳥師がトリをとります。まさに新型の「寝床」に大爆笑の場内でした。「明烏」の浦里花魁と時次郎が出てくるんですね。円丈師匠のお弟子さんとして磨かれた芸風なんでしょう。でも大師匠の故六代目円生師がお聞きになったら卒倒モンでしょうね。

神楽坂半公