第22回 志らく四季の会 冬の部 09/1/29
今年初めての毘沙門寄席、お馴染み立川トリオの登場です。開口一番はホッコリ雰囲気のらく太さんで「親子酒」。禁酒は誓うものの、なかなか止められないのがお酒なのでしょうね。結局は親子ともども脱落。酒癖の悪い者同士なら、酔っ払っちゃった方が勝ち!?
あれこれ多方面で活躍の志ら乃さんは「初天神」。多くの噺家さんが講座にかけるネタだけに、随所に個性的な工夫が要求されます。連れてきた子供の世話も忘れて凧上げに熱中するハチャメチャおとっつあんを、志ら乃流で滑稽味たっぷりに演じてくれました。昔の初天神はさぞかし賑やかだったことでしょう。
志らく師匠登場で「茶の湯」。根岸の里に住む大家のご隠居さん、お金も時間も持て余す毎日に、何か風流な遊びを退屈しのぎにと考えます。されば茶の湯に挑戦と、知ったかぶりのまま茶葉を砕いたり、石鹸を粉にして加えたり、まさに地獄の茶会にと相成ります。茶筅の名がわからないまま「座敷ざさら」と言い換えるところは、多くの噺家さんの演じ方として聞いていましたが、これを「ピーター」と命名して爆笑を誘うあたりが、破天荒落語家志らく師の面目躍如たるところでしょうね。
お馴染みお仲入りワインの後、師匠のトリは「一文惜しみ」。あまり寄席などでも聞かれない噺だと思います。江戸っ子は宵越しの銭を持たない…なんてマクラから手拭を出そうとした師匠、楽屋に忘れてきたことに気付いて、さぁ大変!ここで客席は大爆笑。普段見せない志らくさんの素の一面を見たようで、何だか得したような気分を味わったは私だけだったでしょうか?一文惜しみは百両の損というお裁きの一席でした。
一年で最も寒い頃ですが、毘沙門天ではもう節分会のお知らせが。3月には「神楽坂伝統芸能2009」も開催されます。今年の春は寄席囃子とともに訪れそうで楽しみですね。
神楽坂がん子