神楽坂毘沙門寄席 第12回 「菊之丞の会」  レポート 2008/09/25

第12回「菊之丞の会」-320

毘沙門寄席 第12回「菊之丞の会」08/9/25

初登場は正蔵師匠のお弟子さん、林家はな平さん。いきなりマクラなしで、「よく、付け焼刃はハゲやすいなんてぇことを申しますが…」。思わず「どこでそんなことよく言うの?」って、茶々を入れたくなるほど基本に忠実な「牛ほめ」です。今風の若者が難しいほめ言葉を必死に教える様は、何だか微笑ましく感じられました。

菊之丞師匠登場で一席目は「天狗裁き」。ともすると、同じやり取りの繰り返しでくどい噺にもなりがちですが、抜群の間の取り方が嫌味なく、会場の爆笑を次々に誘うのは「さすが!」。でも、本当のところはどんな夢だったんでしょう?口の堅い私にだけは、ちょっとだけでいいから聞かせて欲しいな。

仲入り後はお賑やかに「東京ガールズ」。小鈴・小夏・小糸さんのお姐さんお三方です。いきなり「高齢化社会のアイドル…」で笑わせて、舞台はパーッと明るくなりました。ヒネリの効いた「さのさ」に始まって、「不知火節」「品川甚句」の中にも現代社会の風刺ネタがふんだんに散りばめられています。最後は分かりやすいダジャレを、「サァ~皆さんご一緒に!」で会場は一体に!柳家紫文さんのお弟子さんと聞いて納得の芸達者ガールズです。

続いてトリは菊之丞師の廓噺「明烏」。確かに今や廓の世界は、話す方も聴く方も「行ったことはないけど…」の場所。知らない所なのに何故か不思議な魅力を感じます。所謂、現代のフーゾク街とは違って、男女が織りなす人情の機微が感じられるからでしょう。菊之丞の真骨頂をやり手のおばさんに見ました。目の配り方、アゴの引き方、手の使い方の巧みさは、そのまま歌舞伎の女形を思わせます。

終演後に境内へ出ると、仲入りのワインで少し火照った頬に宵の涼風があたります。神楽坂もそぞろ歩きに良い季節となりました。

神楽坂がん子