神楽坂毘沙門寄席 第41回「菊之丞の会」レポート (2017/9/28)

第41回菊之丞

神楽坂毘沙門寄席 第41回「菊之丞の会」 2017/9/28

夕方までの雨模様にもかかわらず、今回も満員御礼。まずは文蔵師匠のお弟子さん、橘家かな文さんの『寄合酒』。のっけから威勢良く、歯切れ良い江戸弁の一席でスタートです。
ひとつ報告をさせて下さい。先日ある精鋭二ツ目さんたちの会に行ってきました。そしたら何と4人が、以前の「菊之丞の会」に前座さんで出演した皆さんでした。真打昇進を目前に控えた方をはじめ、全員の頼もしい上達ぶりには目を見張ものがありました。菊之丞師匠と私たちの会が、明日の有望落語家育成の一端を担っていることを感じて、がん子おばさんは何だか嬉しくなっちまったわけなんです。

菊之丞師笑顔で登場しての一席目は『野ざらし』。上方での演題はズバリ『骨釣り』。このあたりにも江戸落語との違いがあって愉快です。美女の幽霊に出逢いたいがために、釣り場を無茶苦茶にして迷惑千万な主人公です。自分の空想の世界にどっぷりつかって大はしゃぎの、能天気なおあにいさんの破天荒ぶりが爆笑を誘いました。

ワインサービスで会場が和やかになったお仲入りの後、縞の着物に淡い色合の羽織で菊之丞師再登場。二席目は道楽者の若旦那が替玉を使って家を抜け出し吉原へという『干物箱』。身替り役の善公の家を探すところで、歴代総理の名を出して鈴木ゼンコウに繋げる下りは、お馴染みの演目ですが初めて聞きました。師匠独自の工夫だったんでしょうね。

秋の神楽坂はイベント満載です。「神楽坂まち飛びフェスタ2017」は10月14日(土)~11月3日(金・祝)。この“まちの文化祭”ではさまざまな催しをお楽しみいただけます。「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2017」は11月11日(土)、12日(日)。粋な伝統芸能がまち中で繰り広げられます。皆様どうぞお誘い合わせの上お出かけください。
次の第42回「菊之丞の会」は、来年1月25日(木)が予定されています。

神楽坂がん子