神楽坂毘沙門寄席 第42回「菊之丞の会」 2018/1/25
今年初の菊之丞の会。都心でも氷点下を記録した酷寒の中でしたが満員御礼の盛況です。まずは師匠の一番弟子、古今亭まめ菊さんの開口一番。ちょっと甲高い声でしたが丁寧に『子ほめ』を演じました。経験とともに落ち着きが出てくれば、きっと噺にも深みが加わることでしょう。口元や所作が師匠譲りでよく似てるなぁと感じましたよ。
菊之丞師匠は鮮やかな紫の羽織、梅の紋が新春らしく高座が華やかに。一席目は『七段目』。お芝居好きが高じたお店の若旦那が大騒動を巻き起こします。歌舞伎をよくご覧の皆様には舞台のシーンが目に浮かんだことと思います。今回は新春ということで生のお囃子に「ツケ打ち」も入り、気分はより一層盛り上がりました。中でも女形の所作と台詞廻しは師匠の真骨頂でしたね。忠臣蔵のお芝居をまた観に行きたくなりました。
ワインやお茶のサービスのお仲入りの後、黒の紋付で菊之丞師再登場。二席目は『たちきれ』。芸者が想いを寄せた若旦那は、道楽三昧からお店の蔵に軟禁状態に。便りにも返信がないと芸者は床に伏したまま亡くなってしまいます。開放されすぐに会いたいと訪れた若旦那に、切々と経緯を語る芸者屋の女将の台詞が泣かせどころです。元来は関西弁の美しさが際立つ上方落語の大ネタですが、江戸前にしっとりと聴かせてくれました。
新年の記念撮影は賑やかになりました。出演のお二人の他は、前列中央におしとやかなお囃子のお姐さん柳沢きょうさん、お馴染みのイラストレーター小森傑(すぐる)さん、後列左が初めて皆様にお目にかかります、この記事を書いている神楽坂がん子です。
私の連れのおじさんたちは、かなり冷え込んだ宵の中を熱燗と温かいお鍋料理を求めて会場を後にしていました。次の第43回「菊之丞の会」は、4月19日(木)が予定されています。本年も毘沙門寄席「菊之丞の会」を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
神楽坂がん子