
神楽坂毘沙門寄席 第61回「菊之丞の会」 2026/1/22
この冬一番の寒波襲来にもかかわらず会場は満員御礼。今年初めての「菊之丞の会」です。前座さんは隅田川わたしさん。悪党にはなり切れないおバカな『間抜け泥棒』を好演。前回に続いてこの会に数回目の登場は、厳しい菊之丞師匠のお眼鏡に叶ったということでしょうか。師匠方に可愛がられて多くを吸収し、二つ目、真打へと順調に成長してくれることでしょう。
淡い色合いの梅柄小紋のお召し物が師匠に良くお似合いです。一席目は『今戸の狐』。「コツ」、「狐」、「できる」などの博打の符丁が多く出て、マクラで説明がないと理解できない噺です。あとで師匠は「面白くないでしょう」と自嘲気味に言われましたが、かみ合わないちぐはぐな会話の妙が愉快でした。古今亭の持ちネタのようで私も初めて聴きましたが、このように滅多にかからない演目を出していただけるのは、自称〝落語通″にとってはとても嬉しいことです。
お仲入り後は黒紋付で二席目は『夢金』。いつも頭の中はお金のことで一杯の船頭熊蔵が、酒手をはずむと言われて欲にかられ寒風の中を漕ぎ出します。川面を進む船の上での身も凍り付くような表現は目に浮かぶようです。昨今のニュースでも金のためなら人殺しもいとわないなんてヤツらがよく出ますが、夢から覚める結末にはホッと胸を撫で下ろします。この噺のサゲは大抵の場合あらイヤだなんですが、師匠のではすんなりとお上品でした。
お正月なので記念写真に小森傑(すぐる)さんに入ってもらいました。第一回目から菊之丞の会ポスターの似顔絵でお馴染みの、落語大好き人気イラストレーターです。
次回「第62回菊之丞の会」は、2026年4月16(木)が予定されています。桜の時期も過ぎたころかと思いますが、皆様お誘い合わせの上お運び下さいますよう、心よりお待ち申し上げております。
神楽坂がん子
