ボランティア説明会
2015年3月8日
神楽坂のまちの応援団/NPO法人粋なまちづくり倶楽部では、市民によるまちづくり活動を一緒に進めて頂けるボランティアの方々を大募集致します。つきましては説明会を開催いたしますので、ぜひご参加下さい。(参加無料)
※説明会の他に、まちの案内人による神楽坂のまちあるきを行います。路地や横丁巡りをしながらまちの歴史や文化についての理解を深めて頂ければ幸いです。お楽しみに。
投稿者「ikimachiKikuchi」のアーカイブ
神楽坂毘沙門寄席 第33回 「菊之丞の会」 レポート 2015/01/29
神楽坂毘沙門寄席 第33回「菊之丞の会」 2015/01/29
2015年の幕開けは、花禄師匠9番目のお弟子さん、柳家圭花さんです。口跡良く『狸の恩返し』をコミカルに好演。将来有望な前座さんの第一条件は、声がしっかり前に出ること。ここからはどんどん上手くなってくれそうです。
菊之丞師匠、初春らしく淡い藤色に梅の紋付姿で登場。世間話のようなマクラから『紙入』に入っていきます。女を演じるとまさに師匠の真骨頂です。いつの時代でもイザ!というときに度胸が据わるのは女性のようです。臆病で意気地のない若い浮気相手に、女のしたたかさを見せつけるあたりは世話物のお芝居を見てるよう。殿方はお分かりかとはとは思いますが、女はかくも賢く、したたかで怖いのですぞ。
ワインでほっこりのお仲入り後、菊之丞師の二席目は『芝浜』。年の瀬によく高座にかかる人情噺です。何人もの噺家さんで聴いていますが、夫婦の心情の機微が表現できる力量というのは、芸人さんとしてのキャリアというよりも、その人の歩んだ人生経験が培ってくれるもののような気がします。反省して酒を絶った亭主と良くできた女房との、大晦日の晩の会話が聴かせ場です。嘘をついてしまったことの訳を謝りながら語るおかみさんに、そこまで思っていてくれたのかと亭主は心打たれます。ここでのやりとりに、もう少ししみじみとした間が欲しいと思ったのは私だけでしょうか。このあたりは師匠ご自身が齢を重ねることでにじみ出てくるのではと、この先が楽しみでもあります。
寒さ一入の晩にもかかわらず、満席札止の盛況でした。次回の「第34回菊之丞の会」は4月9日(木)に予定されています。そして今年も古今亭菊之丞プロデュースの神楽坂伝統芸能2015「神楽坂落語まつり」が、6月27日(土)・7月4日(土)に開催されます。予約開始は4月16日(木)から。どうぞ皆様お誘い合わせの上お運びくださいませ。
神楽坂がん子
神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第150回 (2015/02/06)
神楽坂大學講座
第150回 神楽坂まちづくりすまいづくり塾
神楽坂よもやま話シリーズ 第117話
伝統芸能が活きるまち・神楽坂
~「神楽坂まち舞台 大江戸めぐり」の制作~
語り手 : 小野木 豊昭 さん
(有限会社古典空間 代表取締役、伝統芸能プロデューサー)
■ 日に日に日本文化の色彩が薄まる今日、自らの文化的アイデンティティを体感する機会を積極的に、つくって行くことに大きな意義を感じています。
■ 学生時代、初めて歌舞伎に接して以来、伝統芸能の魅力にとりつかれ、気がつくと「一人でも多くの方々に観て聴いていただきたい」という思いで、自分の仕事としてきました。
■ 一昨年より実施されている「神楽坂まち舞台 大江戸めぐり」というイベントの制作をお引き受けし、たまに訪れるだけだった神楽坂と改めて向き合うことに…。
そして、「伝統」「古典」という言葉を冠しているゆえに、“時代”からは敬遠されがちな芸能を、しっかりと受けとめ、さらに発信してゆく力が、神楽坂という街にあることを実感しました。
■ 今求められている「伝統と現代との接点づくり」。
伝統芸能の伝承・普及という側面から、神楽坂というまちのさらなる可能性について考える機会になれば幸いです。
■ ふるってご参加ください。
活動への支援寄付金として 一般1000円。
(※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
神楽坂発まちづくり・すまいづくり
NPO法人 「粋なまちづくり倶楽部」
◇共 催
神楽坂まちづくりの会
◇お問い合わせ
NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
℡ 050-3558-6260
ikimachi.setsumei@gmail.com
https://ikimachi.net/
神楽坂 毘沙門寄席 第33回 菊之丞の会 (2015/01/29)
【完売御礼!】(2015/1/16)
申し訳ございません、完売いたしました!
「次回は4月9日(木)です」
神楽坂ファンの皆様、寄席ファンの皆様こんにちは。
2015年1月29日に第33回神楽坂毘沙門寄席「菊之丞の会」を開催いたします。
江戸前噺を得意とする、粋でしなやか菊之丞。
今回は、ご存知「芝浜」です。夫婦の情愛を語る菊之丞に、乞うご期待!
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
◆◆ 神楽坂毘沙門寄席 ◆◆
”第33回 菊之丞の会”
◆公演日程
・2015年1月29日(木)
18:30 開場
19:00 開演
◆会場
・神楽坂 毘沙門天善国寺書院 (神楽坂5-36)
JR飯田橋駅、地下鉄有楽町線飯田橋駅B3出口 徒歩5分
東西線神楽坂駅(神楽坂口) 徒歩6分
大江戸線牛込神楽坂駅(神楽坂口)徒歩7分
◆番組
・落語 開口一番 柳家圭花
・落語 「お楽しみ」 古今亭菊之丞
-お仲入り-
・落語 「芝浜」 古今亭菊之丞
◆料金及びチケット
・定員100名(座布団・自由席)。 先着順。
※多くの皆様にお楽しみ頂けるよう、混み合う際は、お膝送りなどご協力下さい。
※足腰がご不自由で、どうしても座布団にお座りになれない方は受付にてお申し付け下さい。
数は限られますが、椅子をご用意致します。
・木戸銭 2500円(前売2200円)【チケット販売・予約】12月20日より
《店舗販売》チケットは神楽坂通りの下記お店でお求め頂けます。
山下漆器店 新宿区神楽坂5-13(「神楽坂上」交差点近く)
電話03(3269)2385
・遠方の方は、電話、メールでのお申込みも受けつけています。
03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
NPO法人 粋なまちづくり倶楽部(担当 日置)
受付時間 年末年始、土日祭日を除く 月~金曜日 11時~18時
お名前、ご住所、電話番号、ご希望枚数をお知らせ下さい。
お支払いは当日、受付にて承ります。
なお当日のチケット交換は6時半までにお済ませ下さい。
また、一度お申し込み頂きますとキャンセルは出来ませんのであらかじめご了承下さい。
◆主催
NPO法人 粋なまちづくり倶楽部
◆共催
神楽坂まちづくりの会
◆お問合せとお申込み
・NPO法人粋なまちづくり倶楽部事務局
(担当 日置)
電話03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
https://ikimachi.net/
神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第149回 (2015/01/16)
第149回 神楽坂まちづくりすまいづくり塾
神楽坂よもやま話シリーズ 第116話
坂のまち神楽坂 ユニバーサルデザインまち歩き
「UDBB」
語り手 : 鈴木 俊治 さん
(NPO法人粋なまちづくり倶楽部 副理事長・有限会社ハーツ環境デザイン 代表)
■ 様々な坂や石畳の路地は神楽坂の大きな魅力ですが、一方車椅子利用者などの方々にとってはそれが障害でもあります。
■ そのような方々に神楽坂を少しでも楽しんでいただくことを目的に、2012年から年1回「まちとびフェスタ」において、車椅子でも回ることのできる“まち歩き”のコースをご案内する「UDBB」を行ってきました。
■ 移動サービスやコミュニティカフェを運営するNPOとのコラボで実施しています。
■ 3回の経験を踏まえて、坂のまち神楽坂でのユニバーサルデザインのまち歩き、バリアフリーのまちづくりについてご紹介します。
■ 奮ってご参加ください。
活動への支援寄付金として 一般1000円。
(※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
神楽坂発まちづくり・すまいづくり
NPO法人 「粋なまちづくり倶楽部」
◇共 催
神楽坂まちづくりの会
◇お問い合わせ
NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
℡ 050-3558-6260
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「第64回 ボランティア説明会」を開催します。(2015/01/11)
ボランティア説明会
2015年1月11日
神楽坂のまちの応援団/NPO法人粋なまちづくり倶楽部では、市民によるまちづくり活動を一緒に進めて頂けるボランティアの方々を大募集致します。つきましては説明会を開催いたしますので、ぜひご参加下さい。(参加無料)
※説明会の他に、まちの案内人による神楽坂のまちあるきを行います。路地や横丁巡りをしながらまちの歴史や文化についての理解を深めて頂ければ幸いです。お楽しみに。
lakagu(ラカグ)に、粋なまち神楽坂の遺伝子
NPO粋なまちづくり倶楽部著『粋なまち神楽坂の遺伝子』(東洋書店)
昭和40年代の新潮社の「本の倉庫」をリノベーションして話題の、神楽坂「lakagu(ラカグ)」。
2階で展開されている〈10×10〉=10人が選ぶ、10冊の本= に、 粋まちメンバーの日置圭子も、「神楽坂の”まちの遺伝子”を知る」というテーマで10冊を選びました。
その中に『粋なまち神楽坂の遺伝子』も。
神楽坂の歴史、地形、景観、まちの成り立ち、建築とまちなみ、まちづくりをこの1冊で知り、神楽坂がなぜ魅力的なのか、そして、神楽坂こそ「まちがひとをつくり、ひとがまちをつくってきた」のだということを実感してほしいと思います。
★アマゾンでもお買い求めいただけます。
神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第148回 (2014/12/05)
神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第148回
神楽坂よもやま話シリーズ 第115話
神楽坂の有形文化財と黒塀プロジェクト
語り手 : 山 下 馨 さん
(NPO法人 粋なまちづくり倶楽部 理事長)
■ 「戦災で燃えつくされた神楽坂にも、戦後すぐに建築された、まちのシンボルとも言える文化的な建物がいくつもあり、現在は7件が国も認める、登録有形文化財となっています。
■ また、まちの景観要素の一つである黒塀を復活し、歩いて心地よい景観を再構築していこうとする活動も神楽坂では始まっています。
■ 今回は、こうした文化資源を活用したまちづくりについて、みなさまと考えたいと思います。
活動への支援寄付金として 一般1000円。
(※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
神楽坂発まちづくり・すまいづくり
NPO法人 「粋なまちづくり倶楽部」
◇共 催
神楽坂まちづくりの会
◇お問い合わせ
NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
℡ 050-3558-6260
ikimachi.setsumei@gmail.com
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東北×神楽坂 震災復興支援サロン2014 レポート
■場所 : 高齢者施設「神楽坂」1F 地域会議室 (地下鉄東西線神楽坂駅真上、アユミギャラリー向かい)
■主催 : NPO 法人粋なまちづくり倶楽部 (まち飛びフェスタ参加企画)
■目的
被災地の現状を知る(忘れない)ようにします。
神楽坂に関わっている人が、東北でどのような支援活動をしているか、情報交換します。
被災地の人から見て、神楽坂に何を期待するか、どのような交流を希望されているか、伺います。
神楽坂にいる私たちで何ができるか改めて考え、できるところから実行する機会とします。
■プログラム
(1)交流サロン 13:00~17:00
【パネル展示】
神楽坂関係者が東北被災地で活動した内容や現地の状況(写真、図表、ポスター等)の展示
三浦卓也 「気仙沼風待ち地区の歴史的建造物の復旧支援と活用」
渡邉義孝 「被災土蔵を記録する〜記憶としての建築と景観を残すために」
川副早央里 「福島県双葉郡の自治体における震災直後から現在に至るまでの様子」
鈴木俊治 「心が和むコミュニティづくり 福島県復興公営住宅」
「陸前高田未来商店街 仮設店舗の計画、装飾、市場調査支援」(NPO 日本都市計画家協会)
司会:坂本明実 (NPO 粋なまちづくり倶楽部)
1. 渡邉義孝(建築家 風組・渡邉設計室、日本民俗建築学会正会員、尾道市立大学講師)
「被災土蔵を記録する〜記憶としての建築と景観を残すために」 14:05
調査方法としては、地元から連絡があると現地に行き、調査して図面と写真を残す。調査後には解体される。気仙沼では、フェイスブックで知り合って調査した例もある。調査していると蔵の棟礼、人形、女性の髪の毛などが出てきて、新鮮に思える。それらは、大抵どこの蔵にもある。気仙沼では船魂様の振興があり、気仙大工の流れを受けついでいる。良質で大規模な土蔵が多数ある。大地震の翌月、4月の地震で倒壊したものもある。幕末の棟礼が出てきたり、伝統に沿って、家の前で成人式の写真を撮ったりもする。福島では、長くはいられない放射能レベルの場所もある。岩手では、地震ではなく治水対策で土蔵が解体された例もある。蔵を残したいが、そう思う人が少ないのが実態。雑誌や新聞でこの調査が紹介されることもあり、これからも活動を続けていく。
2. 福寄 順子 (青年海外協力協会 JOCA)、 保坂公人(五十音設計) 14:20
遠野市との連携については「ふるさと新生モデル事業」として、遠野を拠点に、緊急支援から地域活性化へつなげ、中山間地の課題解決を図ろうとしている。遊休農地の活用、国際協力(加工米の栽培、マラウイの学校給食提供、外国人受け入れ)、人材育成、地域との協働をポイントとしている。これから海外に行きたい人の研修受け入れや、地域との協働で廃校した中学校の利活用も行っている。
原風景の復活として、40年使われていなかった田んぼの復活も実施した。遠野の土地に農業を再生している。
マラウィでは、学校給食を提供することによって就学率アップを図っており、その研修生受け入れを行っている。
廃校の利活用については、JOCAの事務所をそこにおき、住民との協働で協同で地域活動を行っている。図書館カフェは、明日プレオープンする。ピザ窯作りなども行っている。
3. 三浦卓也(マヌ建築都市研究所・一般社団法人気仙沼風待ち復興検討会)
「気仙沼風待ち地区の歴史的建造物の復旧支援と活用」 14:35
昭和4年の大火後、義捐金もあり、まちは水産業で栄え、多くの復興建築が建てられた。そのいくつかは歴史的建造物として価値が高く、地元の建築士らによる「風待ち研究会」によって調査が進められ、いくつかが国登録文化財になった。昨年もこの場でこの件について紹介したが、その後はあまり進んでいない。
国文化財になったものは残されたが、その他はどんどん解体が進んでいる。
税金は文化財保護に回らない。所有者には、建物が損壊したまま残っているのがはずかしい 壊させて欲しいという人もいる。そのような状況下で、Save our culture SOC 基金をスタートした。エルメスも寄付してくれ、想定額の半分位の資金が集まったので、応急措置を開始したところであり、その後本格補修を行いたい。
曳き家をして元の位置に修復したものもあり、その費用は海外を中心とした民間募金でまかなっている。
現在、基盤整備にかからない土蔵の修復を進めている。基盤整備にかかる場所が問題であり、復興プランには古い建物について書かれていない。一方、文化財を活かす形で、共同店舗を区画整理のなかで整備しようという例もある。
復興のシンボルとして、以前の町並みを活かした。法律的にも、建築基準法等の適用除外を受けるためには文化財指定を受けることが必要など、ハードルは多数あるが、これからも活動していきたい。
4. 臼澤裕二(うす沢) 「災害対策への疑問符」 14:50
不十分な安全対策。ハードに頼りすぎ。14.5m 防潮堤がいいのか?
町役場前で対策会議をしているが、その目の前は海である。防潮堤があることで、逆に安心感が生まれたのではないか。いろいろな経験を踏まえていない。科学技術に頼りすぎではないか。安全対策として、電源や、イベントで集客時の対応も必要。
今回の津波は専門家も予測を誤った。オオカミ少年になってはいけない。情報を共有する必要がある。ハードに頼りすぎで、防潮堤で守れるという錯覚があったのではないか。時間経過とともに、人造物はもろくなることも忘れてはならない。
海から遠いところの公園の造成費用は、無駄ではないか。
災害情報の伝播力も不足していた。いったん逃げたのに、戻って被害にあった人も多い。高齢者、要介護者の避難対策が必要である。
震災後の治安の悪化については、報道されていないが、空き巣、盗難等はあった。
土地権利関係の複雑化による作業遅れが懸念される。悪質団体、個人による復興費用の不正使用も問題。
今後は、コンパクトなまちづくりが必要で、将来のインフラ整備負担増が心配される。高齢化と過疎化の加速によって、年寄りばかりになりかねない。ライブエンターテインメントによるまちづくりを提唱しているが、どのようになるか想像できない、わからない。
先日の火山噴火もそうだが、災害は身の回りにある。災害から学ぶ姿勢を忘れてはならない。
神楽坂とのかかわりについては、大槌には優れた郷土芸能が残っており、できれば神楽坂で郷土芸能を披露したい。遠野は、扇の要に立地しており、復旧に果たした役割は大きい。まち通しで、海側のまちをつないでいく必要がある。
(休憩) 15:05 – 15:15
●パネル展示者よりのメッセージ
「福島県双葉郡の自治体における震災直後から現在に至るまでの様子」
いわき明星大学震災アーカイブ室研究員 川副早央里(かわぞえさおり)
今年も引き続き「東北×神楽坂 震災復興支援サロン」が開催されることを大変うれしく思っております。今回は同日同時刻に、私が所属しますいわき明星大学震災アーカイブ室で「いわきのローカルメディアはどう「東日本大震災」を伝えたのか」というフォーラムを開催しておりまして、残念ながら参加がかないませんが、福島県浜通り地区の震災直後から現在に至るまでの写真パネルを展示させていただきました。これらの写真はいわき明星大学震災アーカイブ室の震災記録の保存事業で収集した写真です。ほとんどの写真は市民の方や役場からご提供いただいたものです。震災記録の保存事業は、阪神淡路大震災や中越地震でも盛んに行われ、東日本大震災の多くの被災地域でも取り組まれています。しかし、福島における震災記録の保存は他の地域とは異なる難しさがあると感じています。
ひとつには、現在も続く被害を記録することの難しさがあります。震災記録というのは震災発生直後の記録に留まるものではありません。むしろ長期化する被災状況や復旧復興の過程を記録していくことが重要です。なぜなら、長期的な視点で災害を捉え、「今」の状況を理解し、「次」来るプロセスを予測し、そしてまた検証することができるようになるからです。さらにそれが被害の全体像を他の地域や後世へと伝えるときの記録にもなります。しかし、現在福島では「今」の被災状況を記録することは容易でありません。なぜなら、時間の経過とともになし崩し的に「復興した」とみなされるようになっている一方で、被害は継続しているからです。「被害が継続している」というのは、単に避難生活が継続しているということではありません。原発事故収束宣言は出されたものの、原発事故が再発する恐怖が消えたわけではなく、また放射能被ばくの恐れもあります。だからこそ現在でも災害が生じ続けているのであり、現在でも約12 万人の方が避難生活を送っているのです。
ふたつめは、目に見えにくい原子力災害の実態を記録することの難しさです。原子力発電所が爆発した写真を残すことはできます。しかし、その事実だけでは原子力災害がもたらした被害の全体像はわかりません。また、放射性物質や放射線は目に見えません。たとえ放射線量の数値を記録したとしてもそれだけでは不十分でしょう。
このなんとも捉えようのないところが、まさに人々を苦しませているのです。そのため、人々や社会が直面している困難や苦しみも目には見えにくく、他の人には理解されにくい部分があると思います。アーカイブ室では現在写真の収集だけではなく証言記録などを集めることで、この目に見えにくい人々の思いを可視化し、伝えていこうと取り組んでいます。今の状況を理解するために必要なのは、知識だけではなく、「想像力」なのではないか。そんなことを感じています。
今回展示させていただいたのは、福島県双葉郡の自治体における震災直後から現在に至るまでの様子です。
避難元の写真も避難先の写真もあります。多くの方に浜通り地区の姿をご覧いただければ幸いです。
(トークセッション 続き)
5. 三浦忠司(神楽坂キーストーン法律事務所・弁護士) 「浪江町支援弁護活動」 15:20
原子力損害賠償について、集団申し立てを行っており、国による審査会で中間指針が出たところである。
原発被害者が東電から賠償を受けることについて、直接東電に賠償請求を行い、金額に不満の場合は国の原子力問題を調停するADR センターに相談するしくみになっている。
東電による、月額10 万円の慰謝料が不足として、浪江町が中心となって、町民の総意を集めて集団申し立てを行ってきた。H22 年5 月に申し立てを行い、今年の春に和解案が出たが、東電が和解案を受託しない状況になっている。
もともとこの集団申立ての支援は、早稲田大学法科大学院の学生、教員などが中心になって行ってきた。私はボランティアとして震災復興支援を行ってきたが、その後に司法試験合格し、H24 末に弁護士登録を行った。出身である早稲田大学で、この件について活動していた日置弁護士の誘いを受け、いっしょに活動するようになった。
活動としては、まず町民ヒアリングによって被害実態報告書を作成し(学術的なもの)、それをもとに賠償額の不足を実証しようとしている。集団申し立てには、町民21,000 人中15,000 人が参加している。
状況は人によって違うが、浪江町特有の状況として精神的苦痛を受けたということがあり、その点は共通ということで集団申し立てで慰謝料増額請求を行っている。月額10 万円は、被害実態を正しく反映していないと考えている。和解案は増額を支持し、東電もそれを尊重すると表明しているが、実施されていない。ADR は和解を強制できないしくみで、ADRセンターも動いており東電側と協議を重ねている段階だが、時間かかっている。15,000 人という人数の多さが、時間を要している原因かもしれない。
被災者は疲れきっている。被災者の声を組み上げて理論化することが求められており、これからも支援していきたい。
6. 大坊雅一(東雲の会事務局長)、松村治(早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員) 15:35
「東雲住宅の避難者への心の支援について」
福島からの原発事故による避難者は、山形は減って4000 人になったが、東京には7000 人がいる。都内では江東区が1100 人で最も多く、次に江戸川区、新宿区の襦袢になる。江東区では東雲住宅が多いが、その理由は2011 年1 月に公務員住宅として竣工した後、そこを避難住宅にしたためである。被災者の状況について、浪江町から避難している大坊さんに伺いたい。
Q(松村氏).被災前は何をされていたか。
A(大坊氏).ウナギ屋を経営していた。今は東雲団地の避難者の事務局長を務めている。
Q.避難場所が東雲になる経緯は?
A.3 月11 日夜帰宅し、12 日朝全町に避難命令が出た。13 日一晩は南相馬に泊まり、翌日、子供達2名が東京在住なので、東京に避難した。
Q.東雲での生活はどのようか。
A.避難生活自体は、比較的恵まれていると思う。東京都や江東区の社協が主催して、週2回サロンとして手芸、談話、赤十字によるハンドマッサージなどがある。問題としては、参加メンバーの固定化がある。また、月1 回の清掃活動、近隣公団住宅のお祭り参加などをしている。買い物や生活は便利である。東雲の会は、自治会のようなもので、H23 年9 月に立ち上がった。
Q.避難者の心についてお聞かせいただきたい。
A.賠償が小出しになっており、長期的な生活の見通し立たず、不安である。心の問題は人により違う。高齢者、子供の就学、H28 年3 月の入居期限後はどうなるかなど、様々な問題がある。県外避難者は、地元に帰らないという選択をする人も多い。また、賠償で住宅を求めることができるか、不安がある。故郷は誰もいないまちになっており、どんどん荒廃が進んでいる。まちなかに人がいない。墓参のため、お墓にいるだけである。カラス、猪などは増え、野生の王国のようになっている。
Q.神楽坂との関わりについては、どのようにお考えか。
A.包括力があるまちだと思う。先ほどの大槌でも話題にあがったが、郷土の伝統芸能をこちらで披露したい。だんだんコミュニティ同士がつながるようにしたい(松村氏)
「氷山モデルによる避難者分類」ができる。地域活動に参加している人はごく一部、氷山のトップだけで、その背後には多数の人がいて、水面下のため状況を把握できない人が多い。それらの人たちを上に引き上げることが大切である。
ウェルビーイングを高め、自律的な回復をはかるための4つのポイントとして、以下がある。
外に出て自然とふれあう。
ストレスに対処する力を高め、抱えているストレスの数を減らす。
身近なところから生きがいを見つけて、無為な生活から脱する。
自ら避難者であることにこだわって閉じこもることなく、避難者であることをあえて隠さずに自然な形で地域と関わる。
7. 鈴木俊治(ハーツ環境デザイン代表・NPO 粋なまちづくり倶楽部)
「心が和むコミュニティづくり 福島県復興公営住宅」 15:50
復興公営住宅については、県営の賃貸住宅という枠組みのなかで行うもので、入居者の家賃負担、備品の負担等について問題が指摘されている。一方、避難先周辺からは、避難に関する批判的意見も出ている。また、いったん入居後、数年先には、帰還や他地区への自立再建などが進み、入居率が下がることが想定される。
そのような状況ではあるが、被災者は疲れ切っており、少しでも心が和む生活ができるよう、街区デザインを工夫している。その一つが「コモン」を囲む宅地配置で、仮設住宅で築かれたコミュニティやご近所づきあいが維持されるように配慮したものである。入居者に対して上から目線で接するのではなく、自ら進んでコミュニティ活動等に参加できるよう、サポートをしていきたい。
※ なお昨年までのこのサロンで紹介した「陸前高田未来商店街支援」については、NPO 日本都市計画協会で継続的に支援しており、その状況はパネルでご紹介している。
8. 寺田弘 (NPO 粋なまちづくり倶楽部理事長) 「人のいないまちを訪れて」 16:05
富岡町を視察した。見守り隊が街のパトロールを行い、東電社員は清掃活動をしている。復興組合が農地の保全管理を行っている。
住民の希望は、位牌とアルバムを取ってきてというのと、留守宅の冷蔵庫をきれいにしてほしいというものが多い。そうやって落ち着いてくる。
小高では、駅の自転車がそのままになっている。線量は比較的低いので、商売しても良いが、住んではいけない。養蚕を復活し、次の世代に伝えたいという人もいる。
海際の津波で壊れた家は、そのままになっている。そこで車の窓を叩く音がして、振り返っても誰もいない。霊が残っているのではないか。
南相馬では、ソーラー・アグリパークが整備されている。子供たちに電気のメカニズムを知ってもらうことと、次の世代で事業化できるようにしたいと考えている。ソーラーオーナーを増やしたい。
福島支援のNPO 活動に参加している。東海村豊岡海岸から風船を飛ばし、どこまで放射能が広がるか模擬的に実験した。水戸や品川に到達した。
災害を忘れないことが大切で、少しでも関わっていきたい。現政権が原発を再稼働しようとしている姿勢はひどいものだ。あきれるが、あきらめてはいけない。あきらめたら負け。現政権は、防災ではなく忘災になっている。戦いは明るく楽しく続けたい。
●おわりに (司会者)
震災から3 年半が経過した。大きな危機は乗り越えたが、問題は続いており、拡大しているものもある。震災があったことを忘れないで欲しい。世間では震災に関する関心が薄くなっていくが、粋なまちづくり倶楽部では、これからも何ができるか、5年10年と、息の長い活動を神楽坂で続けていきたい。
神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第147回 (2014/11/07)
神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第147回
神楽坂よもやま話シリーズ 第114話
ギャラリーのあるまち
= 第二次まちづくり運動 =
語り手:坂本 二朗 さん
(坂本ガラス店 店主、神楽坂3丁目在住)
詳細PDF
■ 現在の神楽坂のまちづくりは、平成2年の新宿区主導による「まちづくりの会」発足に始まります。
■ 以来25年、まちは想定に近い状態で発展してきました。しかし、ここに来て、多くの評判を呼んだまちが、衰退に向かっているように感じています。
■ まちが元気なうちに、第二次まちづくりを敢行していかなければなりません。それも以前の成功体験を、すべて否定したところから始めなければ…。
■ そんな新たなまちづくりのお話を聞かせて頂きます。皆さま奮ってご参加下さい。
高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室
・新宿区矢来町104
最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分
◇参加費
(支援金)
活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
(※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主 催
神楽坂発まちづくり・すまいづくり
NPO法人 「粋なまちづくり倶楽部」
◇共 催
神楽坂まちづくりの会
◇お問い合わせ
NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
℡ 03-3260-6260
(東京都新宿区赤城元町3-5-202 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
ikimachi@syoutengai-web.net