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神楽坂 毘沙門寄席

神楽坂毘沙門寄席 第18回 「志らく四季の会 冬の部」  レポート 2008/01/24

第18回「志らく四季の会」

第18回  志らく四季の会  冬の部  08/01/24

いつもながらギッシリ満員の会場です。幕開けのらく太さんは「金明竹」。私も好きなお馴染みのネタです。面白さのポイントは早口の関西弁にとまどうおかみさんのずれた会話。「中橋の加賀屋佐吉方から参じました~」のフレーズを何度も何度も!お疲れさまでした。

志ら乃さんは「時そば」。いつも軽快さとスピードに自分流の持ち味を出してくれる噺家さんです。久しぶりに演る噺はネタ卸しのときとは別の緊張感があるとの弁でしたが、完成度の高いお得意の一席だと感じました。それにしても手の動きや細かな所作が談志師匠ソックリになってきましたね。

志らく師匠登場。マクラにいろんな世相を志らく流に斬り刻んで大受けです。一席目「粗忽長屋」はこの師匠のために作られたような滑稽噺です。まさにスーパー破天荒落語の本領発揮といったところ。訳のわからない粗忽者同士のドタバタを聞いていると、こちらも??となってしまいそうです。

志らく師お仲入り後の二席目は「崇徳院」。先の三木助師匠の録音や上方の噺家さんたちので親しんでいましたが、やっぱりここにも爆笑志らくワールドが展開されました。謎の中国人「スー・イントク」なんてどこからの発想でしょうね?

開演前からかなり降っていた雨は、志らく師匠が言った通り終演時には上がっていました。この人は謎の念力噺家なんでしょうか?

モニター:神楽坂がんこ

神楽坂毘沙門寄席 第9回 「菊之丞の会」  レポート 2007/12/06

第9回「菊之丞の会」-320

毘沙門寄席 第9回「菊之丞の会」7/12/6

開口一番、生ねんさんの「狸の鯉」です。命を助けられた狸の恩返しの噺がいくつかある中では、余りお馴染みでないように思われます。とぼけた表情と声の張りに将来性を感じます。年明けからは二つ目、「柳家わさび」になられるようです。先が楽しみですね。
菊之丞師匠の一席目、お馴染みの「道具屋」です。もっと短いネタだと思っていましたが、こんなに長く面白く演じられたのは私にも初めてでした。何でもオモシロ道具にしてしまう与太郎は、ウイットに富んだかなりの知恵者ですよね。借りた毛抜きでアゴヒゲを全部抜いてしまうおじさんにも、大笑いしてしまいました。
仲入後の松旭斎美智さん、黒のドレスで華やかに登場です。改めて感じましたが奇術は話術。お客さんとの巧みなやり取りには、ベテランならではの味が遺憾なく発揮されていました。神楽坂三丁目の和風スナック「よい処 今夜」の女将さんでもあるんですよ。

菊之丞師の「お見立て」がトリ。喜瀬川花魁と杢兵衛さんの間をウロウロする喜助どんの、心理描写と細かい滑稽な所作の表現が見事です。廓噺にとてもいい味を出してくれる師匠には、ここ「菊之丞の会」でまだ聴いていない吉原や岡場所の噺を大いに披露していただきたいですね。

はや師走ですが、年々どこでも歳の瀬の情緒が薄れてきています。来る年も毘沙門寄席で、良き昔からのお笑いを皆様と楽しみたいと思います。

神楽坂がん子