神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第123回 (121102)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
第123回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 よもやま話シリーズ第90話
「神楽坂最古の店 相馬屋源四郎商店について」
語り手:長妻 直哉さん(相馬屋源四郎商店代表取締役)
■ 神楽坂では最も古い相馬屋源四郎商店は江戸時代以前より伝わるお店で、紙漉(かみすき)職人から始まったといわれています。神田川で漉(す)いた紙を現在の地で販売したものと思われます。従って現代表取締役の長妻直哉さんは十一代目を名乗り、お店の古さを誇っておられます。                                              
◇開催日時  平成24年11月2日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
       都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。      (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
      「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局 ℡03-3260-6260(新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
            ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂毘沙門寄席 第26回 「菊之丞の会」  レポート 2012/10/25

第26回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第26回「菊之丞の会」 2012/10/25

林家つる子ちゃんと呼びたくなる可愛らしい前座さん初登場。林家正蔵師匠の六番弟子です。元気に『元犬』を聴かせてくれました。よく通る声は素質十分で、これからの噺家さんとしての伸びシロを感じさせます。将来大きく化けてくれると信じて応援しますね。

菊之丞師匠は、鮮やかな紫色のお召し物で登場。一瞬で会場の空気がガラリと変わるのは、やはり真打の貫禄なのでしょうか。『子別れ』が上下通しで演じられるのは珍しいことと思います。大工の熊五郎は酒と女に溺れ家庭崩壊。吉原では魅力的だったはずのお姐さんも、「手に取るな、やはり野に置け蓮華草」。失ったものの大きさに後で気付くのは人間の性…という展開の前半を終えてお仲入りです。

ワインサービスの余韻の中、「皆さん、前半は覚えていますか?」と初ッ端の師匠の切り出しに会場は大笑い。今ではきっぱりと酒も絶ち仕事に精を出す独り身の熊五郎、わが子との突然の再会に家族への思慕を募らせます。元の連れ合いが気になる親同士の心中を見透かす、せがれ亀ちゃんの愛嬌ある利発さに笑わされます。涙を隠してわが子を抱きしめる父親のしぐさ、女手ひとつで息子を立派に育てようと叱る母親の情が涙を誘います。

写真の中央はイラストレーターの小森傑(すぐる)さん。「菊之丞の会」の第一回目から、師匠が演目の主役になった似顔絵でポスターに登場しています。テレビ番組「笑点」のカレンダーでも活躍中です。

菊之丞師匠が噺家を志したころから育てられた古今亭円菊師匠が、10月13日に他界されました。その優しいお人柄は篤志家としても知られ、独特なカタチでおかし味たっぷりの芸風が大好きでした。どうかこれからも「菊之丞の会」を見守ってください。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

神楽坂がん子

神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第122回 (121005)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座 
第122回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
  よもやま話シリーズ第89話
   「親子三代 神楽坂」語り手;鵜沢 希伊子さん(調布市在住)                 
■祖父は神楽坂2丁目で日本刺繍屋「津知屋」、父は揚場町で釣道具屋「鴎屋」を営み、本人は津久戸小学校卒業生と「親子三代神楽坂」の誇りを胸に秘めておられる鵜沢希伊子さん。ただし、例の昭和20年4月の大空襲で罹災。その後は神楽坂の戻ることはなく、北海道、調布市などで40年間小学校教員として、普通学級・心身障害児学級に勤務されたという方でもあります。
■昭和10年前後の神楽坂の夜店――坂の両側に並んだ紫色のアセチレンガスの灯の下での熊公焼き、バナナや西瓜のたたき売りの口上などは、そのガスの臭いとともに終生忘れることの出来ない想い出だそうです。
■70年余の時空を超えて、そのころの町のありよう、芝居小屋、芸者さんたちの姿、それに夜店のことなど、思う存分語っていただきます。                                                 
◇開催日時  平成24年10月5日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
       ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円
◇主  催  NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
             ℡ 03-3260-6260
    (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨 
     ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第121回 (120907)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
  第121回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
よもやま話シリーズ第88話 「神楽坂らしさとは?」              
語り手;増井 敦子さん(納戸町在住)
                 
■神楽坂はここ2,30年の間にいくつかの変化の波がありましたが、最近10年の変化はそのスピードが加速されて目を見張るものがあります。
例えば神楽坂らしいお店が消えて普通一般の店が増えたり、その店も短期間で消えて行ったりしています。
こんなことで本当に「神楽坂らしさが保てるか」、ここらで「みんなで神楽坂らしさについて考えてみませんか?」と語るのは、ココットカフェ(ギャラリー併設)を経営する増井敦子さん。
■増井さんご自身は専門学校のドレスデザイン科を卒業し、長年実務のかたわら大学や専門学校で教鞭を執られている方。ファッションの切り口から見えてくる神楽坂の現状と将来について話していただきます。
皆さんも是非この話の輪に加わり、明日の神楽坂を考えてみませんか。
■皆様奮ってご参加下さい。                                                   
               記 
◇開催日時 平成24年9月7日(金)夜19時~21時
◇場  所 高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
        都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
       ℡ 03-3260-6260
   (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
     ikimachi@syoutengai-web.net
  ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、まちづくり・
すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
https://ikimachi.net/

神楽坂毘沙門寄席 第25回 「菊之丞の会」  レポート 2012/09/06

第25回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第25回「菊之丞の会」 2012/09/6

久しぶりの菊之丞の会は、前座の柳亭市也さん『のめる』で幕開け。開口一番は会場の雰囲気を作るトップバッターです。緊張感の中でもノビノビとした高座をこなしてくれました。胸の内では何だか親心のような気持ちで、応援しながら聴いてしまうオバサンです。

菊之丞師匠の登場で、会場の雰囲気がグッと柔らかになりました。すっかり落ち着きというか貫禄さえも感じさせます。『死ぬなら今』は演題の意味が最後に納得できる一席です。昔も今も「地獄の沙汰も金次第」なのか、恐いはずの地獄の番人達もお金には弱いようで笑えます。噺の中の「地獄寄席」の出演者は、志ん生、文楽、圓生の超豪華版。談志が前座さんなんですから、地獄はイヤですがここはぜひ覗いてみたいですね。

お仲入り後の二席目は怪談噺、三遊亭円朝作『真景累ヶ淵』から『豊志賀の死』。富本節の師匠、豊志賀のところに稽古に通ってくる若い新吉。師匠と弟子の立場が、男女の関係に発展したあたりから悲劇が始まります。豊志賀が若い弟子のお久と新吉の中を邪推しながら、形相が変わってゆくところで一段と怖い展開に。会場の照明も暗く落とされ、客席はシーンと聴き入っていました。圓朝師の数々の名作は二十代の頃に創作された聞き、作家としても天才的な力量を備えた、不世出の落語家さんだと改めて感じさせられます。

怪談噺の後はお客さんの気持ちを和ましてお返しするのが寄席の流儀とか。普段から日舞の稽古に励んでいる師匠が、「夕暮れ」を踊ってくれました。舞いながら「もうすぐ終わります」なんて笑わせますね。

終演後に一歩外に出ると、連日の猛残暑という現実に戻されます。もういい加減ウンザリ。涼風が恋しくてたまりません。

神楽坂がん子

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第120回 (120803)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
 
第120回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
よもやま話シリーズ第87話 「江戸川の変遷について」  
語り手;高橋 和雄さん(新宿区前助役)

■神楽坂は大胡氏が牛込城を築いてから約500年、徳川三代将軍家光が
現在の「神楽坂通り」を造ってから約380年と東京の町としては古い歴史を誇っています。
今回は赤城神社裏の暴れ川・平川(当時の呼称)がどのよ うにして現在の
江戸川に改修されていったのか、また初期江戸住民の飲料水がその川を通じてどのように取水されていったのかといった話しを中心に、神楽坂にまつわる興味深いお話を種々していただきます。
■語り手はかつて東京都から新宿区に出向され、工事課長、計画課長・土木部長、助役などを勤められ、神楽坂の土木工事やまちづくりに多大な尽力をされた高橋和雄さんです。
現在は京王電鉄バス在籍のかたわら早稲田大学<エクステンションセンター>の講師として新宿の「都市と文化」の形成を論じておられます。
■皆様奮ってご参加下さい。                                                   
              記 
◇開催日時   平成24年8月3日(金)夜19時~21時
◇場  所   高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
        ・新宿区矢来町104
         最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
         都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO
活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
    (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
        ikimachi@syoutengai-web.net
    ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
https://ikimachi.net/

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第119回 (120706)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座 
     第119回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
       よもやま話シリーズ第86話
  「神楽坂の老舗中華料理店”龍公亭”物語り」
  
    語り手;飯田公子さん (龍公亭三代目)

■神楽坂を代表する老舗「龍公亭」は、古くから現在に至るまで、地元神楽坂で愛され続けている中華料理店です。
飯田公子さんはその三代目。初代は明治創業の「あやめ寿司」。大正になってからあやめ寿司の二階で始めた「龍公亭」を、戦前、戦後と引き継いだ二代目を経て、公子さんはその歴史をさらに平成へとつないでいます。
昨年6月には代々伝わる資料をもとに「神楽坂龍公亭物語り」を制作。120年にわたる店の歴史を振り返ったその一ページには、昭和20年代から30年代の神楽坂での公子さんの子ども時代の記憶も記され、楽しい記録となっています。また、現在タウン誌「かぐらむら」でも「老舗と神楽坂」のテーマでエッセイを好評連載されています。
              記 
◇開催日時  平成24年7月6日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
       ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
       都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動       のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
   (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
       ikimachi@syoutengai-web.net
 ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
      https://ikimachi.net/

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第118回 (120601)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座 
第118回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
よもやま話シリーズ第85話「安心で安全なまちづくり」
語り手;嶋田 堯嗣さん (毘沙門天善国寺 住職)
■ 保護司・民生委員・児童委員は、社会奉仕の精神を持って住民の立場になって相談に応じる奉仕者です。この重責をすでに15年以上も担って活躍しておられるのが善国寺の嶋田住職です。「この地の人々と手を携えながら、少しでも安心で安全なまちづくりに貢献できれば」と、まちにとって絶対欠かすことのできない重要な役割に対してその抱負の一端を語っておられます。
■ 同時に、「神楽坂といえば毘沙門天」と江戸時代から多くの人に親しまれてきた善国寺の住職として、昭和46年には本堂・庫裡の再建、平成6年には冠木門スタイルの山門を建て、平成16年には客殿を建設するなど、親子二代にわたって善国寺を「神楽坂のシンボル」にしながら、まちの賑わいをリードしてきた人でもあります。                                                
               記 
◇開催日時 平成24年6月1日(金)夜19時~21時
◇場  所 高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室 
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
◇参加費(支援金)一般1000円。学生500円。活動への支援寄付金として 
◇主  催 神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局℡03-3260-6260 
    (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下馨) ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第117回 (120511)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催
神楽坂大学講座 
第117回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
よもやま話シリーズ第84話
「蜀山人(しょくさんじん)と牛込」  
語り手;今野 慶信さん(新宿歴史博物館 学芸員)                    
■ 太田南畝(なんぽ)こと蜀山人は寛延2年(1749)に牛込御徒組屋敷内(現中町36)で生まれ、56才で小日向金剛寺坂に転居するまでそこに居住しました。「蜀山人」は晩年の号で、杏花園とか四方赤良(よものあから)などの号を使い、一般には太田南畝と呼ばれていました。
若い頃は狂文・狂歌を良くし、漢学・国学に秀でた江戸の有名人でもありました。
■ 昨年10月に新宿歴史博物館で「『蜀山人』大田南畝とえどのまち」を企画担当された学芸員の今野慶信さんから、蜀山人の特に牛込神楽坂周辺での活動をピックアップしてお話しをしていただく予定です。                                               
               記 
◇開催日時  平成24年5月11日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
       ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
       都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参 加 費(支援金)一般1000円。学生500円。
活動への支援寄付金として(※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合せ  NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
      (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
       ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂毘沙門寄席 第24回 「菊之丞の会」  レポート 2012/04/26

第24回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第24回「菊之丞の会」 2012/04/26

街々にも新入社員らしい若者が目に付くこの頃です。初登場の前座さんは林家正蔵師匠の五番弟子、林家なな子さん。面差しが「海老名系」なのでご親戚?…かと思いきやその関係はないそうです。元気な『転失気』はこれからの伸び代を充分に感じさせてくれました。

藤色鮮やかな小紋柄のお召物の菊之丞師匠、一席目は廓噺『三枚起請』。師匠の十八番かと思ったのですが、二つ目のとき以来のほとんど「ネタおろし」とか。騙し騙されの男女の世相は、今も昔も変わらないようです。「あら、まぁ~」「おや、わぁ~」と棟梁の話に相槌を打つ茶屋の女将と、三人に問い詰められて俄然開き直る花魁喜瀬川の描写が、この噺家さんならではの真骨頂でした。

お仲入り後の二席目は『夢金』。寝言でも「百両欲しい、二百両欲しい」とうなっている船頭の熊蔵。「娘を殺して金を山分けに」と持ち掛ける謎の侍を、中洲に置いてきぼりにして娘を助けます。ほんのお礼にと手にした金包みは百両もの大金だったが…。雪の舞い散る夜の大川の描写が風流で秀逸です。女を演じるときの師匠には天性の巧みさが光っていましたが、このところ聴く武士や荒くれ男のスゴ味ある表現にも、一段と磨きがかかってきたのを私は感じています。

桜前線は東北へ。境内ではすっかり葉桜になりましたが、若葉の緑が目にも鮮やかです。先ほどまで降っていた雨も上がって、「ちょっと行こう」のおじさんたちはニコニコと横丁に消えていきました。

昨年は震災のため中止になった恒例『神楽坂落語まつり』は、6月30日(土)と7月7日(土)に開催されます。こちらもどうぞお楽しみにお運びください。

神楽坂がん子