神楽坂 毘沙門寄席」カテゴリーアーカイブ

神楽坂 毘沙門寄席

神楽坂毘沙門寄席 第34回 「菊之丞の会」  レポート 2015/04/09

第34回菊之丞-320
神楽坂毘沙門寄席 第34回「菊之丞の会」 2015/4/9

円丈師匠10番目のお弟子さん、三遊亭わん丈さんで幕開きです。師匠はユニークな方ですが、前座さんとは思えないほど落ち着いた高座で感心しました。噺に入る前の諸注意から笑わせて『牛ほめ』を好演。楽しみな噺家さんに育ってくれそうです。

春らしい淡いクリーム色のお召物に黒羽織姿の菊之丞師匠登場。先日亡くなられた桂米朝師匠の思い出話のマクラで、噺家さんたちの内輪話に大笑いして『山崎屋』の一席に。吉原通いが過ぎて勘当寸前の若旦那、真面目一筋の堅物番頭にも裏の顔があるのを知り、弱みを握っての脅迫まがいのやり取りが笑わせます。番頭さんの筋書き通りにことが進めば、晴れて花魁と所帯が持てるはずでしたが…サァ、どうなったでしょうか!?

ワインやお茶のサービスで一息のお仲入り後、菊之丞師の二席目はこの季節にピッタリの『花見の仇討』。昔からお花見の酒宴は盛んで、仲良し四人組はウケを狙って仇討茶番劇を計画。でも予期せぬハプニングからハチャメチャな展開に…。『山崎屋』でもそうでしたが、現代ではなくなった事物や表現が古典落語には多く登場します。演じ手としてはその解説には毎度苦労されるらしく、余り詳しい説明を入れて噺を本筋から外してしまうことは避けたいようです。「六部(六十六部=修行の行脚僧)」など、何か分からないときは自分でも調べてみると、とても面白い発見があります。

東京では桜の盛りも過ぎたというのに、真冬の寒さに逆戻り。それでも多くのお客様にお出でいただいて盛況となりました。今年も古今亭菊之丞プロデュースの「神楽坂落語まつり」は、6月27日(土)・7月4日(土)に開催されますが、早々と満員札止めとなった人気の回もあるそうです。どうぞ皆様お誘い合わせの上お運びくださいませ。

神楽坂がん子

神楽坂 毘沙門寄席 第34回 菊之丞の会 (2015/04/09)

34回菊之丞の会A3ポスター

2015年4月9日に第34回神楽坂毘沙門寄席「菊之丞の会」を開催いたします。
人気、実力ますます磨きがかる、粋でしなやか菊之丞。
神楽坂の春の夜は、お得意の廓噺「山崎屋」他一席でお楽しみください。
色に狂った若旦那にキャラの際立つ番頭さん。起伏に富んだストーリー展開に乞うご期待!

◆◆ 神楽坂毘沙門寄席 ◆◆
”第34回 菊之丞の会”

◆公演日程

・2015年4月9日(木)
18:30 開場
19:00 開演

◆会場

・神楽坂 毘沙門天善国寺書院  (神楽坂5-36)
JR飯田橋駅、地下鉄有楽町線飯田橋駅B3出口 徒歩5分
東西線神楽坂駅(神楽坂口) 徒歩6分
大江戸線牛込神楽坂駅(神楽坂口)徒歩7分

◆番組

・落語  開口一番    三遊亭わん丈
・落語  「お楽しみ」   古今亭菊之丞
-お仲入り-
・落語  「山崎屋」     古今亭菊之丞

◆料金及びチケット

・定員100名(座布団・自由席)。 先着順。
※多くの皆様にお楽しみ頂けるよう、混み合う際は、お膝送りなどご協力下さい。
※足腰がご不自由で、どうしても座布団にお座りになれない方は受付にてお申し付け下さい。
数は限られますが、椅子をご用意致します。

・木戸銭 2500円(前売2200円)【チケット販売・予約】03月09日より
《店舗販売》チケットは神楽坂通りの下記お店でお求め頂けます。
山下漆器店  新宿区神楽坂5-13(「神楽坂上」交差点近く)
電話03(3269)2385

・遠方の方は、電話、メールでのお申込みも受けつけています。
03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
NPO法人 粋なまちづくり倶楽部(担当 日置)
受付時間 年末年始、土日祭日を除く 月~金曜日 11時~18時
お名前、ご住所、電話番号、ご希望枚数をお知らせ下さい。
お支払いは当日、受付にて承ります。
なお当日のチケット交換は6時半までにお済ませ下さい。
また、一度お申し込み頂きますとキャンセルは出来ませんのであらかじめご了承下さい。

◆主催

NPO法人 粋なまちづくり倶楽部

◆共催

神楽坂まちづくりの会

◆お問合せとお申込み

・NPO法人粋なまちづくり倶楽部事務局
(担当 日置)
電話03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
https://ikimachi.net/

神楽坂毘沙門寄席 第33回 「菊之丞の会」  レポート 2015/01/29

33回菊之丞-320

神楽坂毘沙門寄席 第33回「菊之丞の会」 2015/01/29

2015年の幕開けは、花禄師匠9番目のお弟子さん、柳家圭花さんです。口跡良く『狸の恩返し』をコミカルに好演。将来有望な前座さんの第一条件は、声がしっかり前に出ること。ここからはどんどん上手くなってくれそうです。

菊之丞師匠、初春らしく淡い藤色に梅の紋付姿で登場。世間話のようなマクラから『紙入』に入っていきます。女を演じるとまさに師匠の真骨頂です。いつの時代でもイザ!というときに度胸が据わるのは女性のようです。臆病で意気地のない若い浮気相手に、女のしたたかさを見せつけるあたりは世話物のお芝居を見てるよう。殿方はお分かりかとはとは思いますが、女はかくも賢く、したたかで怖いのですぞ。

ワインでほっこりのお仲入り後、菊之丞師の二席目は『芝浜』。年の瀬によく高座にかかる人情噺です。何人もの噺家さんで聴いていますが、夫婦の心情の機微が表現できる力量というのは、芸人さんとしてのキャリアというよりも、その人の歩んだ人生経験が培ってくれるもののような気がします。反省して酒を絶った亭主と良くできた女房との、大晦日の晩の会話が聴かせ場です。嘘をついてしまったことの訳を謝りながら語るおかみさんに、そこまで思っていてくれたのかと亭主は心打たれます。ここでのやりとりに、もう少ししみじみとした間が欲しいと思ったのは私だけでしょうか。このあたりは師匠ご自身が齢を重ねることでにじみ出てくるのではと、この先が楽しみでもあります。

寒さ一入の晩にもかかわらず、満席札止の盛況でした。次回の「第34回菊之丞の会」は4月9日(木)に予定されています。そして今年も古今亭菊之丞プロデュースの神楽坂伝統芸能2015「神楽坂落語まつり」が、6月27日(土)・7月4日(土)に開催されます。予約開始は4月16日(木)から。どうぞ皆様お誘い合わせの上お運びくださいませ。

神楽坂がん子

神楽坂 毘沙門寄席 第33回 菊之丞の会 (2015/01/29)

33回菊之丞A3ポスタ-

【完売御礼!】(2015/1/16)
申し訳ございません、完売いたしました!
「次回は4月9日(木)です」

神楽坂ファンの皆様、寄席ファンの皆様こんにちは。

2015年1月29日に第33回神楽坂毘沙門寄席「菊之丞の会」を開催いたします。
江戸前噺を得意とする、粋でしなやか菊之丞。

今回は、ご存知「芝浜」です。夫婦の情愛を語る菊之丞に、乞うご期待!

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

◆◆ 神楽坂毘沙門寄席 ◆◆
”第33回 菊之丞の会”

◆公演日程

・2015年1月29日(木)
18:30 開場
19:00 開演

◆会場

・神楽坂 毘沙門天善国寺書院  (神楽坂5-36)
JR飯田橋駅、地下鉄有楽町線飯田橋駅B3出口 徒歩5分
東西線神楽坂駅(神楽坂口) 徒歩6分
大江戸線牛込神楽坂駅(神楽坂口)徒歩7分

◆番組

・落語  開口一番    柳家圭花
・落語  「お楽しみ」   古今亭菊之丞
-お仲入り-
・落語  「芝浜」     古今亭菊之丞

◆料金及びチケット

・定員100名(座布団・自由席)。 先着順。
※多くの皆様にお楽しみ頂けるよう、混み合う際は、お膝送りなどご協力下さい。
※足腰がご不自由で、どうしても座布団にお座りになれない方は受付にてお申し付け下さい。
数は限られますが、椅子をご用意致します。

・木戸銭 2500円(前売2200円)【チケット販売・予約】12月20日より
《店舗販売》チケットは神楽坂通りの下記お店でお求め頂けます。
山下漆器店  新宿区神楽坂5-13(「神楽坂上」交差点近く)
電話03(3269)2385

・遠方の方は、電話、メールでのお申込みも受けつけています。
03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
NPO法人 粋なまちづくり倶楽部(担当 日置)
受付時間 年末年始、土日祭日を除く 月~金曜日 11時~18時
お名前、ご住所、電話番号、ご希望枚数をお知らせ下さい。
お支払いは当日、受付にて承ります。
なお当日のチケット交換は6時半までにお済ませ下さい。
また、一度お申し込み頂きますとキャンセルは出来ませんのであらかじめご了承下さい。

◆主催

NPO法人 粋なまちづくり倶楽部

◆共催

神楽坂まちづくりの会

◆お問合せとお申込み

・NPO法人粋なまちづくり倶楽部事務局
(担当 日置)
電話03-6426-1728
ikimachi.geinou@gmail.com
https://ikimachi.net/

神楽坂毘沙門寄席 第32回 「菊之丞の会」  レポート 2014/10/02

第32回 菊之丞-320

神楽坂毘沙門寄席 第32回「菊之丞の会」 2014/10/02

前座さんは一度聞いたら忘れられない芸名の柳家フラワーさん。花禄師匠のお弟子さんです。妙に落ち着いた風貌で『元犬』を好演してくれました。二つ目昇進が間近で、今度は花飛(かっとび)さんに改名とのことです。

菊之丞師匠、真っ赤なフカフカのニュー座布団に鎮座した様子は、なんだか仏壇のおりんのようで神々しい(失礼?)。一席目は怪談「番長皿屋敷」のパロディー版とでもいいましょうか『お菊の皿』。私は上方では枝雀師匠、江戸前では小朝師匠のこの噺が好きです。美人の幽霊お菊さんが人気沸騰で、会場の皿屋敷は満員の盛況。営業スマイルも芸人並みについて、お決まりのセリフがクサくなってゆくところには笑わせられます。

お仲入り後の二席目は『居残り佐平次』。私には日本の映画史に残る日活映画『幕末太陽伝』で、佐平次を生き生きと演じたフランキー堺さんが目に浮かびました。悪い奴には違いない主人公ですが、あそこまで人を乗せてしまう手腕はアッパレとしか言いようがありません。「いま勘定のことたァ忘れて遊んでんだから」と若い衆を煙に巻くテンポ、「あーた色悪だよホントに、色魔!」なんて幇間顔負けの客あしらいは実に見事なもんです。

秋なのにお客さまの人いきれで会場ではエアコンが作動していましたが、さすがに終演後の屋外は少しひんやりと感じます。年内の菊之丞の会はこれで終了。改めて月日の過ぎていく早さを感じますね。10月18日(土)からは毎年恒例のまちの文化祭、「神楽坂まち飛びフェスタ2014」が開催されます。どうぞお楽しみにお運びください。

神楽坂がん子

神楽坂 毘沙門寄席 第32回 菊之丞の会 (2014/10/02)

32回菊之丞の会A3ポスター

神楽坂ファンの皆様、寄席ファンの皆様こんにちは。

2014年10月2日に第32回神楽坂毘沙門寄席「菊之丞の会」を開催いたします。
江戸前噺を得意とする、粋でしなやか菊之丞。今回は秋の夜の神楽坂にふさわしく廓噺でお楽しみください。

男を骨抜きにするはずの遊里を手玉にとって、弁口さわやかに煙に巻く佐平次・菊之丞に、乞うご期待!

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。


◆◆ 神楽坂毘沙門寄席 ◆◆
”第32回 菊之丞の会”

◆公演日程

・2014年10月2日(木)
18:30 開場
19:00 開演

◆会場

・神楽坂 毘沙門天善国寺書院  (神楽坂5-36)
JR飯田橋駅、地下鉄有楽町線飯田橋駅B3出口 徒歩5分
東西線神楽坂駅(神楽坂口) 徒歩6分
大江戸線牛込神楽坂駅(神楽坂口)徒歩7分

◆番組(予定)

・落語  開口一番         柳家フラワー
・落語  「居残り佐平次」他一席   古今亭菊之丞

◆料金及びチケット

・定員100名(座布団・自由席)。 先着順。
※多くの皆様にお楽しみ頂けるよう、混み合う際は、お膝送りなどご協力下さい。
※足腰がご不自由で、どうしても座布団にお座りになれない方は受付にてお申し付け下さい。
数は限られますが、椅子をご用意致します。
・木戸銭 2500円(前売2200円)【チケット販売・予約】9月2日より
《店舗販売》チケットは神楽坂通りの下記お店でお求め頂けます。
山下漆器店  新宿区神楽坂5-13(「神楽坂上」交差点近く)
電話03(3269)2385《電話・メール予約》
・遠方の方は、メール、電話でのお申込みも受けつけています。
03-6426-1728
受付時間 土日祭日を除く 月~金曜日 11時~18時
ikimachi@syoutengai-web.net
お名前、ご住所、電話番号、ご希望枚数をお知らせ下さい。
お支払いは当日、受付にて承ります。
なお当日のチケット交換は6時半までにお済ませ下さい。
また、一度お申し込み頂きますとキャンセルは出来ませんのであらかじめご了承下さい。

◆主催

NPO法人 粋なまちづくり倶楽部

◆共催

神楽坂まちづくりの会

◆お問合せとお申込み

・NPO法人粋なまちづくり倶楽部事務局
(担当 日置圭子)
電話03-6426-1728
ikimachi@syoutengai-web.net
https://ikimachi.net/

神楽坂毘沙門寄席 第31回 「菊之丞の会」  レポート 2014/04/10

31回菊之丞の会-320

神楽坂毘沙門寄席 第31回「菊之丞の会」 2014/4/10

 前座修行中とおでこに書いてありそうな生真面目青年、柳家小かじさん初登場。三三師匠のお弟子さんです。開口一番『道灌』で元気よく笑わせてくれました。また来て欲しいと思わせる体格の良いクリクリ坊主さんでした。

 菊之丞師匠、縞の着物でにこやかに高座へ。「8億円借りてみたいですね~」と、いきなり社会風刺をチクリ。私たちの世界とは桁が違う金額がケータイメール1本で行ったり来たりって、信じられな?い。お馴染み『寝床』の面白さは、義太夫狂いの大店の旦那の表情変化のプロセスとでもいいましょうか。ウキウキと自分の義太夫の会を準備していたはずの顔から、誰も来たがらないことで怒り心頭へと一転。そこからまた機嫌を直し、相好をグズグズに崩していく様子の描写が見せどころ、聴かせどころでした。中央最前列で熱心に聴いていたかわいいお客さんがいたので、写真に入ってもらいました。「あすこはアタシの寝床なんでございます」と泣いた定吉どんは、このくらいの坊やだったんでしょうね。

 今回もワインサービスのお仲入り。続いての二席目は三遊亭圓朝作『死神』です。六代目圓生師匠の代表ネタでしたね。会ったこともないはずですが、何となく死神さんの風貌が目に浮かび怖かったものです。演じる噺家さんと時代に合わせて、死神を追い払うおまじないの文句が変わります。「アジャラカモクレン○○○○、テケレッツノパー!」の○○部分には、この日は話題のリケジョの名前が入って、場内がドッと沸きました。こんな風に病気が治せたら最高ですよね。

 桜も散って乾燥した好天が続いています。夜はまだまだ冷え込みます。公演のあとで一杯のお父さんたちもほどほどにご帰宅を。第6回「神楽坂落語まつり」は、6月28日(土)と7月6日(日)に開催されます。またどうぞお楽しみにお運びください。

神楽坂がん子

神楽坂毘沙門寄席 第30回 「菊之丞の会」  レポート 2013/12/05

第30回菊之丞の会-320

神楽坂毘沙門寄席 第30回「菊之丞の会」 2013/12/5

前回に続いて登場の入船亭ゆう京さん、『たらちね』の開口一番です。「自らことの姓名は~」の言い立てが少し違った長めの型でしたが、よどみなく歯切れよく笑わせてくれました。この調子で二ツ目、真打へと駆け昇って欲しいですね。

菊之丞師匠、にこやかに高座へ。噺家さんの出とお辞儀の仕方にも各々違いがありますが、師匠は一瞬会場を見渡してからニッコリ笑顔で頭を下げます。世間話のようなマクラからお馴染みの一席『短命』へ。勘の鈍い植木職人と訳知り顔の大家さんとのチグハグなやりとりが笑わせます。終盤はパワフルなおかみさんの存在感が凄い!茶碗にご飯をよそうにもお櫃からそのままダイレクト。しゃもじなんざぁ要りません。強く生き抜く女はこれでなきゃと納得です。それで旦那さんも長命なら文句なしでしょう。

今回はワインや発泡酒、スピリッツのサービスも加わってのお仲入りでした。続いての二席目は『文七元結』。三遊亭圓朝師のこの名作人情噺は、お芝居でもよく上演されます。前に私も尾上菊五郎の長兵衛、菊之助の文七役を大いに楽しみました。次に是非観てみたいのは片岡秀太郎丈の吉原佐野槌の女将でしょうか。こんなキャスティングを勝手に考えたりするのも、落語を聴くときの自己流の楽しみ方にしています。博打で身を滅ぼしてしまった左官職人、親思いのけなげな娘、それを愛する後妻のおカミさん、大店の旦那と使用人…巧みに演じ分けられた様々な登場人物の中に、一人も悪人が登場しなかったことに後で気付かされます。

先月後半の小春日和から、今日まで好天が続いています。終演後のおじさんたちは今夜も居酒屋放浪ですか?次回の菊之丞の会は来年4月3日(木)。鬼が笑う間もなく月日は流れますが、どうぞまたお運びください。笑門来福…皆様にとって良い年が訪れますよう。

神楽坂がん子

神楽坂毘沙門寄席 第29回 「菊之丞の会」  レポート 2013/09/12

第29回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第29回「菊之丞の会」 2013/9/12

入船亭ゆう京さんは扇遊師匠のお弟子さんです。携帯電話が鳴らないように注意をうながすのも、今や前座さんの仕事となりました。よどみない話しぶりの『嘘つき弥次郎』で笑わせてくれました。先が楽しみな若い芸人さんがまた一人増えて嬉しく思います。

菊之丞師匠、縞の着物でにこやかに登場。お馴染みお酒呑みの一席は『親子酒』です。呑兵衛にとって酒を断つというのはなかなか辛いことのよう。禁酒の約束はしたものの、手持無沙汰でついつい酒に向かってしまう大旦那と、おかみさんとのやり取りが聴かせ処です。禁を破って久々に飲んだ酒が身体に滲み込む様子を、「お腹の中で、あら久しぶり。お婆さんによろしくって言ってるよ」なんてあたりは、可愛い冗談で許せてしまいます。

サービスのワインの香り漂うお仲入り後、菊之丞師の二席目は左甚五郎が主人公の『ねずみ』です。落語の名工物語はもともと講談で演じられたものが多いと聞きますが、これは浪曲ネタとのこと。どれもスジ立てが分かりやすくスッキリしていて、聴く人を楽しませてくれます。日本人なら誰もがそう感じますよね。木彫りの福ねずみによって、仙台城下の落ちぶれた旅籠が繁盛宿屋に変わっていく展開が嬉しく、名人甚五郎作のねずみから見ると、虎もネコになってしまうというサゲは痛快です。

次回の菊之丞の会は12月5日(木)。もう師走なんですね。記録的な猛暑日が続いた異常気象の中、皆様よく乗り越えられました。まだ少し残る蒸し暑さがなくなれば、待望の秋到来、忠臣蔵の季節へと続きます。本当に「待ちかねたぁ」です。

神楽坂がん子

神楽坂毘沙門寄席 第28回 「菊之丞の会」  レポート 2013/05/09

第28回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第28回「菊之丞の会」 2013/5/9

初登場の前座さん、金原亭駒松さんは馬生師匠のお弟子さん。ちびまる子ちゃんに登場するハマジ君みたい、との菊之丞師匠の形容に思わず納得。張りのある大きな声でお馴染み『道具屋』の熱演でした。体育会系風の元気さで精進して欲しいと思います。

新しくなった真っ赤な座布団に、紫のお召し物で決めた菊之丞師匠が座ると何とも派手です。この度の芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(確かに長くて覚えにくい)お目出当ございます。高座でプライベートを話題にするのは珍しい師匠が、ご結婚のダブルの喜びを話され、今の幸せに酔っておられる様子でした。一席目は『天狗裁き』。「他人の夢の話なんて聞きたくはない…が、」は何度も笑いを誘うフレーズです。詮索好きの人たちや天狗様にはホントに困ったもの。こんな輩には黙っていた方が得策です。だけど八五郎さん、口の堅い私だけには、どんな夢だったのかちょっとだけでいいから話してくださいな。

お仲入り後は『湯屋番』。道楽が過ぎて勘当の末、居候という身の上の若旦那が、日本橋のお湯屋、奴湯に奉公することになります。念願の番台に座ってからの自惚れ屋の妄想シーンを、テンポ良く展開してゆく下りが菊之丞師の真骨頂です。艶っぽいお妾さんとの芝居がかったセリフ回しは聴かせどころで、ついつい私もあっけにとられ、風呂場から番台を見つめる男湯の面々と同じに顔になっていたのでは。それにしてもこの師匠にぴったりの滑稽噺ですね。

終演後は菊之丞師匠の御祝の会が準備されていました。若葉のきらめく良い季節です。6月29日、7月1日の両日は、今年も『神楽坂落語まつり』が開催され、古今亭菊之丞の活躍が続きます。

神楽坂がん子