神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第129回 (130510)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
 
第129回 神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 /よもやま話シリーズ第96話
     
「芸術座創立100年ー島村抱月、松井須磨子のことなど」

語り手:谷口典子さん【粋なまちづくり倶楽部アーカイブズチーム所属(市ヶ谷仲之町在住)】
会 場:高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室

■島村抱月は松井須磨子らとともに大正2年(1913)に芸術座を創立し、日本中で大人気。以降日本新劇史の中でも記録に残る大成功をおさめた。同4年には横寺町9,10番地に「芸術倶楽部」も竣工した。それが抱月、須磨子の相次ぐ死で5年半で活動に終止符が打たれた。
■今回は芸術座創立100年という記念すべき年でもあり、紅谷研究家でかつ「創立100周年イベント」計画のメンバーの1人でもある谷口典子さんに、抱月のこと、須磨子のこと、芸術倶楽部のことなど、やさしく解説していただくことにした。
■どうかお楽しみ下さい。                                                 
               記
 
◇開催日時   平成25年5月10日(金)夜19時~21時
◇場  所   高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
        ・新宿区矢来町104
         最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
          都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金 活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
       (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO
活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催   神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
    (新宿区赤城元町3-5-202山下馨建築アトリエ内
/担当:山下 馨)
        ikimachi@syoutengai-web.net
      ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、
まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
https://ikimachi.net/

神楽坂毘沙門寄席 第28回 「菊之丞の会」  レポート 2013/05/09

第28回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第28回「菊之丞の会」 2013/5/9

初登場の前座さん、金原亭駒松さんは馬生師匠のお弟子さん。ちびまる子ちゃんに登場するハマジ君みたい、との菊之丞師匠の形容に思わず納得。張りのある大きな声でお馴染み『道具屋』の熱演でした。体育会系風の元気さで精進して欲しいと思います。

新しくなった真っ赤な座布団に、紫のお召し物で決めた菊之丞師匠が座ると何とも派手です。この度の芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(確かに長くて覚えにくい)お目出当ございます。高座でプライベートを話題にするのは珍しい師匠が、ご結婚のダブルの喜びを話され、今の幸せに酔っておられる様子でした。一席目は『天狗裁き』。「他人の夢の話なんて聞きたくはない…が、」は何度も笑いを誘うフレーズです。詮索好きの人たちや天狗様にはホントに困ったもの。こんな輩には黙っていた方が得策です。だけど八五郎さん、口の堅い私だけには、どんな夢だったのかちょっとだけでいいから話してくださいな。

お仲入り後は『湯屋番』。道楽が過ぎて勘当の末、居候という身の上の若旦那が、日本橋のお湯屋、奴湯に奉公することになります。念願の番台に座ってからの自惚れ屋の妄想シーンを、テンポ良く展開してゆく下りが菊之丞師の真骨頂です。艶っぽいお妾さんとの芝居がかったセリフ回しは聴かせどころで、ついつい私もあっけにとられ、風呂場から番台を見つめる男湯の面々と同じに顔になっていたのでは。それにしてもこの師匠にぴったりの滑稽噺ですね。

終演後は菊之丞師匠の御祝の会が準備されていました。若葉のきらめく良い季節です。6月29日、7月1日の両日は、今年も『神楽坂落語まつり』が開催され、古今亭菊之丞の活躍が続きます。

神楽坂がん子

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第128回 (130405)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座 
第128回 神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 
/よもやま話シリーズ第95話     
語り手;佐々木 真理さん (チェルノブイリ子ども基金<白銀町> 事務局長)
会 場:高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室

■チェルノブイリ子ども基金」は高名なフォトジャ-ナリスト広河隆一氏が、現地の母親たちの呼びかけを受けて募金活動を始めたのをきっかけに1994年に設立されました。翌々年からは事故被害児をベラルーシとウクライナのサナトリウムでの保養に招待しています。
■佐々木真理さんは、その現地の保養のボランティア募集に応じていち早く
馳せ参じた人です。以来、資金を貯めてはベラルーシに通い続け、数年後には事務局に入られました。今でも続く子どもたちの甲状腺ガンの発症などを見るにつけ、「こういう事態は決して忘れられてはいけない」と静かに話しておられます。

■佐々木さんのお話に耳をかたむけてみましょう。
                                                   
               記
 
◇開催日時  平成24年4月5日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
       都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動の
ための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
      「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
    (新宿区赤城元町3-5-202山下馨建築アトリエ内/
担当:山下 馨)
         ikimachi@syoutengai-web.net
    ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、
まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
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神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第127回 (130301)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
 
第127回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 /よもやま話シリーズ第94話
「神楽坂の新たな魅力づくり、“食べないと飲まナイト”について」
語り手: 有村壮央(ありむらもりひさ)さん
    <株式会社アントレスト 代表取締役>
■神楽坂のまちの新しい魅力や風景を発見してもらおうと、2011年10月に飲食店約40店舗が参加して開催された、「食べないと飲まナイト」の第一回は大盛況のうちに終了。好評に応えて今年3月3~5日に第二回が開催されます。神楽坂で「魚串さくらさく」「つみき」「野菜食堂さくらさく」を運営されている、語り手の株式会社アントレスト 代表取締役 有村壮央さんは、この「食べないと飲まナイト」の仕掛人です。
■今回は、語り手が神楽坂で事業を始めようとしたきっかけや、「食べないと飲まナイト」の概要、企画・実施した背景や苦労話、そして3~5日に開催の第二回の魅力などについて語っていただきます。
■皆様、奮ってご参加ください。
                      
               記
 
◇開催日時   平成24年3月1日(金)夜19時~21時
◇場  所   高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
       ・新宿区矢来町104
        最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
             都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
      (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、
今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ  NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
         ℡ 03-3260-6260
    (新宿区赤城元町3-5-202山下馨建築アトリエ内
/担当:山下 馨)
        ikimachi@syoutengai-web.net
       ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、
まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動して
おります。
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神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第126回 (130208)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 /よもやま話シリーズ第93話
「名画座ギンレイホール -映画キャラバン隊の活動-」               
語り手;藤永一彦さん(ギンレイ映画アカデミー事業部々長)                 
■ 名画座「ギンレイホール」は新作ロードショー後の名作をかけるいわゆる2番館である。昭和49年に創業し、今や約6000人が会員登録している人気映画館だ。ゆったりかつ優雅な気分で映画鑑賞が楽しめるために、若い女性や中高年の男女に大いに支持されている。
■ そんな中にあって藤永一彦さんは、デジタル化の波に消えつつある映写機をトラックに乗せ、映画のキャラバン隊を結成し、今年の3,11には被災地復興の一助として仙台市に赴いている。今回は藤永さんからその活動について、今後の抱負などもまじえて語っていただくことにした。
■ どうか奮ってご参加下さい。                                                   
               記 
◇開催日時  平成24年2月8日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
            都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費 活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
       「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
        ℡ 03-3260-6260
 (新宿区赤城元町3-5-202山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
       ikimachi@syoutengai-web.net
     ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、まちづくり・すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
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神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第123回 (121102)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
第123回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 よもやま話シリーズ第90話
「神楽坂最古の店 相馬屋源四郎商店について」
語り手:長妻 直哉さん(相馬屋源四郎商店代表取締役)
■ 神楽坂では最も古い相馬屋源四郎商店は江戸時代以前より伝わるお店で、紙漉(かみすき)職人から始まったといわれています。神田川で漉(す)いた紙を現在の地で販売したものと思われます。従って現代表取締役の長妻直哉さんは十一代目を名乗り、お店の古さを誇っておられます。                                              
◇開催日時  平成24年11月2日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
       都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。      (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
      「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局 ℡03-3260-6260(新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
            ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂毘沙門寄席 第26回 「菊之丞の会」  レポート 2012/10/25

第26回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第26回「菊之丞の会」 2012/10/25

林家つる子ちゃんと呼びたくなる可愛らしい前座さん初登場。林家正蔵師匠の六番弟子です。元気に『元犬』を聴かせてくれました。よく通る声は素質十分で、これからの噺家さんとしての伸びシロを感じさせます。将来大きく化けてくれると信じて応援しますね。

菊之丞師匠は、鮮やかな紫色のお召し物で登場。一瞬で会場の空気がガラリと変わるのは、やはり真打の貫禄なのでしょうか。『子別れ』が上下通しで演じられるのは珍しいことと思います。大工の熊五郎は酒と女に溺れ家庭崩壊。吉原では魅力的だったはずのお姐さんも、「手に取るな、やはり野に置け蓮華草」。失ったものの大きさに後で気付くのは人間の性…という展開の前半を終えてお仲入りです。

ワインサービスの余韻の中、「皆さん、前半は覚えていますか?」と初ッ端の師匠の切り出しに会場は大笑い。今ではきっぱりと酒も絶ち仕事に精を出す独り身の熊五郎、わが子との突然の再会に家族への思慕を募らせます。元の連れ合いが気になる親同士の心中を見透かす、せがれ亀ちゃんの愛嬌ある利発さに笑わされます。涙を隠してわが子を抱きしめる父親のしぐさ、女手ひとつで息子を立派に育てようと叱る母親の情が涙を誘います。

写真の中央はイラストレーターの小森傑(すぐる)さん。「菊之丞の会」の第一回目から、師匠が演目の主役になった似顔絵でポスターに登場しています。テレビ番組「笑点」のカレンダーでも活躍中です。

菊之丞師匠が噺家を志したころから育てられた古今亭円菊師匠が、10月13日に他界されました。その優しいお人柄は篤志家としても知られ、独特なカタチでおかし味たっぷりの芸風が大好きでした。どうかこれからも「菊之丞の会」を見守ってください。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

神楽坂がん子

神楽坂まちづくり・住まいづくり塾 第122回 (121005)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座 
第122回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
  よもやま話シリーズ第89話
   「親子三代 神楽坂」語り手;鵜沢 希伊子さん(調布市在住)                 
■祖父は神楽坂2丁目で日本刺繍屋「津知屋」、父は揚場町で釣道具屋「鴎屋」を営み、本人は津久戸小学校卒業生と「親子三代神楽坂」の誇りを胸に秘めておられる鵜沢希伊子さん。ただし、例の昭和20年4月の大空襲で罹災。その後は神楽坂の戻ることはなく、北海道、調布市などで40年間小学校教員として、普通学級・心身障害児学級に勤務されたという方でもあります。
■昭和10年前後の神楽坂の夜店――坂の両側に並んだ紫色のアセチレンガスの灯の下での熊公焼き、バナナや西瓜のたたき売りの口上などは、そのガスの臭いとともに終生忘れることの出来ない想い出だそうです。
■70年余の時空を超えて、そのころの町のありよう、芝居小屋、芸者さんたちの姿、それに夜店のことなど、思う存分語っていただきます。                                                 
◇開催日時  平成24年10月5日(金)夜19時~21時
◇場  所  高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
       ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円
◇主  催  NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
             ℡ 03-3260-6260
    (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨 
     ikimachi@syoutengai-web.net

神楽坂 まちづくり・住まいづくり塾 第121回 (120907)

NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」主催 神楽坂大学講座
  第121回神楽坂まちづくり・住まいづくり塾
よもやま話シリーズ第88話 「神楽坂らしさとは?」              
語り手;増井 敦子さん(納戸町在住)
                 
■神楽坂はここ2,30年の間にいくつかの変化の波がありましたが、最近10年の変化はそのスピードが加速されて目を見張るものがあります。
例えば神楽坂らしいお店が消えて普通一般の店が増えたり、その店も短期間で消えて行ったりしています。
こんなことで本当に「神楽坂らしさが保てるか」、ここらで「みんなで神楽坂らしさについて考えてみませんか?」と語るのは、ココットカフェ(ギャラリー併設)を経営する増井敦子さん。
■増井さんご自身は専門学校のドレスデザイン科を卒業し、長年実務のかたわら大学や専門学校で教鞭を執られている方。ファッションの切り口から見えてくる神楽坂の現状と将来について話していただきます。
皆さんも是非この話の輪に加わり、明日の神楽坂を考えてみませんか。
■皆様奮ってご参加下さい。                                                   
               記 
◇開催日時 平成24年9月7日(金)夜19時~21時
◇場  所 高齢者福祉施設「神楽坂」1階 地域会議室     
      ・新宿区矢来町104
       最寄り駅:東西線神楽坂駅 徒歩2分
        都営大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩10分 
◇参加費(支援金)活動への支援寄付金として 一般1000円。学生500円。
    (※寄付金は会場費、資料代、通信費の他、今後のNPO活動のための費用に充当させていただきます。)
◇主  催  神楽坂発まちづくり・すまいづくりNPO法人
        「粋なまちづくり倶楽部」
◇お問い合わせ NPO法人「粋なまちづくり倶楽部」塾事務局
       ℡ 03-3260-6260
   (新宿区西五軒町3-18-103 山下馨建築アトリエ内/担当:山下 馨)
     ikimachi@syoutengai-web.net
  ※「粋なまちづくり倶楽部」は、東京都の認証をうけ、まちづくり・
すまいづくりに関するNPO法人として活動しております。
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神楽坂毘沙門寄席 第25回 「菊之丞の会」  レポート 2012/09/06

第25回「菊之丞の会」-320

神楽坂毘沙門寄席 第25回「菊之丞の会」 2012/09/6

久しぶりの菊之丞の会は、前座の柳亭市也さん『のめる』で幕開け。開口一番は会場の雰囲気を作るトップバッターです。緊張感の中でもノビノビとした高座をこなしてくれました。胸の内では何だか親心のような気持ちで、応援しながら聴いてしまうオバサンです。

菊之丞師匠の登場で、会場の雰囲気がグッと柔らかになりました。すっかり落ち着きというか貫禄さえも感じさせます。『死ぬなら今』は演題の意味が最後に納得できる一席です。昔も今も「地獄の沙汰も金次第」なのか、恐いはずの地獄の番人達もお金には弱いようで笑えます。噺の中の「地獄寄席」の出演者は、志ん生、文楽、圓生の超豪華版。談志が前座さんなんですから、地獄はイヤですがここはぜひ覗いてみたいですね。

お仲入り後の二席目は怪談噺、三遊亭円朝作『真景累ヶ淵』から『豊志賀の死』。富本節の師匠、豊志賀のところに稽古に通ってくる若い新吉。師匠と弟子の立場が、男女の関係に発展したあたりから悲劇が始まります。豊志賀が若い弟子のお久と新吉の中を邪推しながら、形相が変わってゆくところで一段と怖い展開に。会場の照明も暗く落とされ、客席はシーンと聴き入っていました。圓朝師の数々の名作は二十代の頃に創作された聞き、作家としても天才的な力量を備えた、不世出の落語家さんだと改めて感じさせられます。

怪談噺の後はお客さんの気持ちを和ましてお返しするのが寄席の流儀とか。普段から日舞の稽古に励んでいる師匠が、「夕暮れ」を踊ってくれました。舞いながら「もうすぐ終わります」なんて笑わせますね。

終演後に一歩外に出ると、連日の猛残暑という現実に戻されます。もういい加減ウンザリ。涼風が恋しくてたまりません。

神楽坂がん子